京都文化学科「おもてなし文化論」で茶道 武者小路千家14代家元夫人の千 和加子氏が講義

2018.11.21

京都文化学科では、茶道、華道、老舗旅館、料理屋、ホテルなど各界の第一線で活躍する方々をゲスト講師として招き、各界におけるおもてなしの具体例や精神等、生きた教訓を学ぶ「おもてなし文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を秋学期に開講しています。
やさしい口調で話される千氏
11月21日(水)は、茶道 武者小路千家(むしゃこうじせんけ)14代家元夫人の千 和加子(せん・わかこ)氏をゲスト講師にお招きしました。
武者小路千家は、表千家、裏千家と併せて、三千家と言われる茶道流派の一つで、京都の武者小路通に面していることからこの名前になったと言われています。千氏は、茶事を裏方として支えながら、着物や懐石料理、和菓子などに関する著作を数多く発表し、幅広く活躍されています。
興味津々の様子で講義を聞く学生
講義では、初めに三千家の成り立ちについて紹介。千利休の曽孫にあたる三兄弟が、それぞれ武者小路千家、表千家、裏千家を継ぎ、お互い切磋琢磨して今日まで続いてきたと説明されました。また、武者小路千家の茶室の写真を見せ、普段のおけいこで使用している「環翠園」の歴史や、「編笠門」はJR二条駅のモデルにもなったという話もされ、学生から驚きの声があがっていました。
講義の後半では、どこででも手軽にお茶を楽しめるように、茶道具をコンパクトに収納した茶箱を紹介され、「お茶は美味しく点てようと思って点てたら美味しくなる」と話しながら実際に抹茶を点て、お茶菓子とともに学生に振る舞われました。教室全体が暖かい雰囲気に包まれ、学生からは「家元が交代すると雰囲気が変わるのか」「着物と帯を合わせるコツは」「海外の人との交流が多いと思うが、トラブルはないのか」と活発な質問が出され、そのひとつひとつに「伝統を伝承しているので変わらない」「どんな着方でもいいので着物に慣れてほしい」「日本と外国との文化の違いを知って接することが大事」と丁寧に答えていただきました。
気軽に召し上がってほしいとお茶を点てる千氏
最後に「外国に行ったときに、日本の文化を説明できることが大事、日本の文化をもっと学んでほしい」と話され、学生は深い感銘を受けた様子でした。
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