京都文化学科「おもてなし文化論」で老舗旅館「柊家」女将 西村 明美氏が講義

2018.10.17

京都文化学科では、茶道、華道、老舗旅館、料理屋、ホテルなど各界の第一線で活躍する方々をゲスト講師として招き、各界におけるおもてなしの具体例や精神等、生きた教訓を学ぶ「おもてなし文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を秋学期に開講しています。
柊家のおもてなし精神を説く西村氏
10月17日(水)は、老舗旅館「柊家(ひいらぎや)」女将(おかみ)の西村 明美氏をゲスト講師にお招きしました。
「柊家」は、1818年創業の京都を代表する老舗旅館。ノーベル文学賞を受賞した作家 川端 康成が愛した旅館として知られており、移りゆく時代のなかで、今も昔も変わらないおもてなし精神で、京都を訪れる人々にやすらぎを与え続けています。
講義では女将が、受講生たちに宿泊気分を味わってもらおうと、館内のスライド写真を見せながら柊家を紹介。江戸・明治時代から残る部屋や、器の素材・季節の食材を活かした料理、自然への敬意が込められた室礼など、柊家の魅力に受講生たちは感激していました。特に、古くから残る部屋については、一度無くしてしまうと簡単に作りあげられるものではなく、昨今、激しく変化していく京都の町並みについても、今住んでいる人だけの京都ではなく、1200年の歴史が繋がっており、それぞれの時代の人の想いがあると説きました。
その後、柊家のおもてなし精神について説明。玄関の額に書かれている「来者如帰(らいしゃにょき)」は、旅人が我が家に帰られたようにくつろいでいただきたいとの意味をこめた、柊家が大切にしている家訓です。お客様を迎えるにあたっては、着物を着た時の細かな所作、お辞儀の角度や表情まで、相手に気持ちが伝わりやすいよう意識すると女将の心得を述べました
真剣に講義を聴く受講生たち
世界から評価される柊家ですが、京都の他の老舗やお客様から学ぶこともしばしばとのこと。昨今では外国からのお客様が増えており、国籍も文化も違うのでお客様を理解するのは難しいが、とにかく経験を積むことが大事だと説明しました。
歴史や伝統を大切にすることはもちろん、時代の変遷にあわせてお客様に寄り添う柊家のおもてなしの精神に、受講生は大いに感銘を受けた様子でした。
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