文化学部京都文化学科 専門教育科目「京の食文化論」で料理研究家 大原 千鶴氏が講義

2018.06.13

2013年、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食。京都文化学科では、その和食の中でも代表的存在である「京料理」を中心に、和食の歴史や特徴、年中行事との関わりなどを学ぶ「京の食文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を春学期に開講しています。
学生の質問に笑顔で答える大原氏
講義では、第一線で活躍する京の料理人をゲスト講師として招き、生きた和食の魅力を考察する機会を設けており、6月13日(水)は「京都の暮らしと和食」をテーマに、NHK「きょうの料理」でもおなじみの料理研究家 大原 千鶴氏を招いて講義を行いました。
大原氏は冒頭、京都の人々は、永平寺の開祖である道元 禅師の「尊いいのちをいただいて調理をし、食材に対する敬意を持つ」という教えを受け継ぎ、一つの素材で様々な調理ができる『始末が効くもの』を食材として料理をしていると説きました。
興味深く聴講する学生たち
また1月~12月までの京の年中行事と食の関係について、映像を使って講義をしました。
とりわけ『豆』については、京都人は豆を<魔を滅する>食材として数々の行事食の中に取り入れており、1月15日の小正月には小豆粥を食し、2月3日の節分では炒った豆をまく。6月30日の夏越の祓には小豆の載った水無月をいただき、12月22日の冬至にはかぼちゃと小豆を一緒に煮た「いとこ煮」を食べるという、普段何気なく口にしている食材にも意味があるということ、そして、食べるということをおろそかにしないことが、食材の命をいただいて自分が生きていることへの実感へとつながり、その喜びを周りの人々に与えることになる。すなわち、日々の食生活の豊かさが人をつくると話し、親元を離れて暮らす学生へ「簡単に和食を楽しむ」ために、『水だし』の作り方を教えてくださりました。
最後に「食べることを『よばれる』というのは何故?」「炒め物が水っぽくなってしまうのは?」「魚をきれいに食べるには?」等という学生の質問に対して、母親としての顔を見せながら一緒に考え、丁寧に答えてくださっていた姿が印象的で、学生たちも表情豊かで熱心な大原氏の講義に魅了された様子でした。
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