京都文化学科「おもてなし文化論」で堀内家長生庵主 堀内 宗完氏が講義

2017.12.13

京都文化学科では、「おもてなし文化論」(担当:吉澤 健吉 教授)を秋学期に開講しています。この授業では、茶道、華道、老舗旅館、料理屋、ホテルなど各界の第一線で活躍する方々をゲスト講師として招き、歴史と伝統に育まれた「京都のおもてなし」について生きた教訓を学びます。

12月13日(水)の授業では、表千家の「堀内家長生庵主(ちょうせいあんしゅ)」の堀内 宗完(ほりのうち そうかん) 宗匠をゲスト講師にお招きしました。堀内 宗匠は、京都大学理学部出身という茶家には珍しい理系の経歴をお持ちの先生です。
化学的な視点から釜について解説をされる堀内氏
はじめに、茶の湯とは一服のお茶を友達と楽しく飲み、お茶に使われる道具や料理が共通の話題となり、自由な話を通じて交友を確かめることであると説明をされました。ゴルフの例えを交えて、学生に伝わりやすく茶の湯についてお話をされました。
一般的に知られている「お茶」は茶の湯でいう「薄茶」という一部分に過ぎず、本来4時間にもわたる「お茶事」のおもてなしについて、「席入り」という迎え入れから、「懐石」という食事の形式や、中心となる「濃茶」までを丁寧に解説されました。
一味違った宗匠の講義に耳を傾ける受講生
また、硬水と軟水をはじめ、お茶と関わりの深い京都の水の特徴についてお話をされました。京都市内の水は、古くから名水と知られ、今でも多くの井戸の跡が残されており、京都とお茶の歴史において重要な役割である旨説明されました。茶の湯で炭を使い窯で湯を沸かす理由や、天然の水を使用する理由について、理系学部出身ならではの化学的な視点から解説され、学生たちは一味違った宗匠の話に熱心に聞き入っていました。
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