理学部 宇宙物理・気象学科 談話会「アンドロメダ銀河のすばるHSCデータのマイクロレンズ探査による原始ブラックホールの制限」を開催しました

2017.12.13

理学部では外部講演者の方による談話会を定期的に開催しており、12月13日に、東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構の高田昌広教授による講演が行われました。
講演のタイトルは「アンドロメダ銀河のすばるHSCデータのマイクロレンズ探査による原始ブラックホールの制限」であり、高田教授らのグループがすばるに搭載された超広視野撮像カメラHyper Suprime-Cam(HSC)によって得られたデータを利用して行った、原始ブラックホールの探索に関する研究成果についての発表でした。
連星ブラックホールの合体による重力波が観測されるようになり、原始ブラックホールはダークマター候補として近年特に注目されています。原始ブラックホールはそれ自身が光らないため直接検出はほぼ不可能ですが、マイクロレンズ現象は対象天体からの光を観測する必要が無いため、原始ブラックホールの探査を可能にします。今回このような非常にユニークな手法によるダークマター候補の探査・制限に関する研究成果の紹介が行われました。
談話会には教員だけでなく、3年次生から大学院生まで様々な学生が参加しており、日本が誇るすばる望遠鏡とHSCの威力を最大限活かした、他の追随を許さない研究成果の紹介に熱心に耳を傾けており、今後の学業・研究生活において大いに刺激になったと思われます。
残念ながら原始ブラックホールは検出されなかったとのことですが、その存在量にこれまでにない強い制限をかけることができたこと、また、副産物として様々な興味深い光度変動天体が発見されたとのことでした。参加者の中には、今後このような研究に携わりたいと感じた学生も多くいたと思われます。
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