現役外交官 外交の舞台裏を熱弁(外国語学部 特別授業)

2017.07.07

2017年7月7日(金)、外国語学部専門教育科目「国際関係論Ⅰ」(※)において、外交官(一等書記官)の大沼 寛氏がゲストスピーカーとして登壇しました。大沼氏は、外務省在メキシコ日本国大使館一等書記官として勤務されています。

当日の聴講者は、授業履修者約230名のみならず、聴講を希望した学生・教職員も加わり、約280名にのぼるなど、教室は満員となりました。「国際社会で生きていくためには(多国間外交の現場から)」をテーマとした、外交交渉現場の講演は大変興味深く、学生は講義終了まで聴き入りました。

講演はまず、「二国間外交」「多国間外交」の説明からはじまり、日本は「二国間交渉は得意であるが、多国間交渉が苦手」と言われており、大沼氏は多国間交渉を行う世界の中で、どのように仕事に向き合い、ときに苦悩し、キャリアを積んできたか、実体験を学生に語りました。多国間外交におけるルールにおいては、自国の立場を主張することは極めて重要で、相手の立ち場を尊重し、十分理解をしていることを表明しつつも、対案を提示することが重要であることを自身の体験を踏まえ、熱く話していました。

「日本は完ぺきを目指すあまり、好機を逃す傾向がある。一方で、世界の国々はアバウトであるが好機には敏感であり、少ないチャンスもものにする」といった事例を出し、語学が上手でなかったとしても、しっかり自分の想いを表明し、提案することが世界では重要であると学生たちに熱いメッセージを送りました。
 

学生たちの目を見ながら力強く語る大沼氏
大沼氏の講義に真剣に耳を傾ける学生たち
終盤には、質疑応答の時間が設けられ、学生たちが次々と質問を行いました。「なぜ外交官を志したのか」、「アメリカ-メキシコの国境の壁問題についてどう考えるか」、「最も日本のためになったと思った経験について」等、その問いかけの一つ一つに、質問者である学生の目をしっかりと見ながら、丁寧に力強く応える大沼氏の様子が印象的でした。

※「国際関係論Ⅰ」は、国際社会に生成する諸現象を政治・経済・社会・文化・歴史など学際的な視点から理解するために、国際関係の基本的概念と今日的課題を学ぶことを目指した授業です。
熱心に質問を行う授業履修者とそれに応える大沼氏
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