文化学部京都文化学科講演会「京都の奥、京都の闇」開催 講師:井上 章一氏(国際日本文化研究センター教授)

2016.12.14

12月14日、著書『京都ぎらい』がベストセラーとなった井上 章一 国際日本文化研究センター教授をお招きして、文化学部京都文化学科講演会を開催しました。
ご自分の体験を交えて講義する井上教授
講演のテーマは当初「京都の奥、京都の闇」でしたが、「京都がテーマの講演が続いているので、きょうは少し別の話にしましょう」との井上 教授の配慮から、実際の内容は、京都を含んだ日本論であり、その話の素材は洋の東西に及びました。
ご自身の実際の体験から、ブラジルにおける日本の府県名の会社名登録に「KIOTO」というゴキブリ駆除会社があることや、イギリスには「NIPPON」なる蟻駆除薬品があること、関西国際空港がなぜ「KANSAI」でなく「OSAKA」と呼称されるのかについてまで話が及び、世界各地で「キョウト」や「ニッポン」がどのように認識されているのか、世界基準の日本観とは何かを問う興味深い内容でした。
京都に関しては、「謙遜」の奥に潜む京都の人の独特の言い回しや心理、内(洛中)と外(洛外)を分ける京都の人の意識がいかに現代社会に存在し続けているかを、嵯峨にお生まれになり、宇治市にお住まいの井上 教授のご自身の体験されたエピソードを交えて、明快に説かれました。
そのユーモアたっぷりの語り口と、事の真相を突かんとする評論に、会場の大教室を埋めた学生、一般聴衆から時折爆笑が起こり、感嘆の声も漏れていました。
ユーモアたっぷりの語り口で、会場中を笑いでつつむ井上教授
大教室を埋めつくす学生・一般聴衆の方々
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