京都文化学科「京都の宗教」で石清水八幡宮権宮司 田中 朋清氏が講義

2016.10.07

京都は、古い神社とともに、平安仏教、鎌倉仏教の総本山が集中する宗教都市という一面を持っています。
文化学部京都文化学科では、本山の歴史的背景や成り立ち、檀家制度、現代の葬儀の抱える問題など、一歩踏み込んで伝統仏教について考察する専門教育科目「京都の宗教」(担当:吉澤 健吉 文化学部教授)を秋学期に開講しています。
柔らかな語り口でわかりやすく講義する田中氏
10月7日(金)の授業では、八幡市の石清水八幡宮権宮司の田中 朋清氏をゲスト講師にお招きしました。
田中氏は由緒ある石清水八幡宮の宮司を永年つとめる田中家のご子息ですが、キリスト教系大学の経済学部出身で、経済学と物理学を関連付けた卒業論文を執筆、大学卒業後に神道学を学び、九州で報道キャスターとしてテレビで活躍されたこともある、ユニークな経歴の持ち主です。

石清水八幡宮の国宝社殿について解説。ドローンによる空撮でも厳かな雰囲気が伝わってきます。
講義は「石清水と神仏習合」をテーマに話されました。
神社の神主による祝詞と寺の僧侶による読経が同じ場で行われるおまつりをはじめ、日本の家では神棚と仏壇の両方があっても違和感がないこと、正月は神社に初詣、寺で先祖供養の墓参り、さらにはイベントとして楽しむハロウィンなど、世界でも例を見ない日本人特有の“尊いものに手を合わせる寛容な心・神仏和合の心”について、わかりやすく解説しました。
また、石清水八幡宮の境内に生えていた真竹を用いた実験で、エジソンによる白熱電球発明がもたらされたとのエピソードも紹介しました。
田中氏からは最後に、「京都の地でこそ、神社と寺の心、神仏習合の心が具体化できる。京都で京都文化を学ぶ素晴らしさを誇りに、充実した大学生活を送ってほしい。石清水八幡宮にもぜひ足を運んで」と受講生にエールを送りました。
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