グローバルコモンズは、キャンパス内でありながら「グローバル」を感じられる異文化交流空間だ。さまざまな海外経験を経てきた松田も、グローバルコモンズで新たな出会いをむすんだ1人だ。
「4年次になって英語を使う機会が少なくなり、英語力をキープしたくてグローバルコモンズに通うようになりました」
グローバルコモンズでは、留学生との交流行事が盛んに行われる。それらを企画するのが”LINK”と呼ばれる学生スタッフだ。その一員である劉は、多くの学生が語学力を向上させていく様子を間近で見てきた。
劉は日本文化に興味を持ち、深く学修するため、中国から京都産業大学に進学したという経緯を持っており、日本での留学を通して自分が感じた異文化理解に関する知識を生かし、LINKとして活動を行っている。
「グローバルコモンズには、本気で語学力アップに励む学生、日本人と仲良くなりたいと願う留学生がたくさん訪れます。訪れる人をつなぎ、コミュニケーションの楽しさを知ってもらおうと、さまざまなイベントを開催しています」
中でも人気なのが、毎週行われるディスカッションイベントだ。やがて松田は、そのゲスト講師としてLINKから招待を受ける。
「私はキャンパス内で、大学生の『食の意識向上』に向けた活動を行っていました。これがきっかけで、ゲスト講師をやってみないかとお誘いを受けました」
松田は3年次に経験した国際関係学部の留学プログラム「国際キャリア開発リサーチ」でカナダの大学に留学。その時に出会った現地学生の団体による食育の取り組みに影響を受け、帰国後、キャンパス内で「食の意識向上」に向けた活動を開始した。
劉は運営側として立ち回りつつ、松田とのディスカッションにも加わった。強い当事者意識を持って問題と対峙する松田に、劉は大きな感銘を受けたと語る。
「社会課題と真剣に向き合う彼女を『すごい人だ』と尊敬しましたし、そんな素晴らしい人と出会えたことも嬉しく思いました」
松田もまた、とても有意義な経験になったと振り返る。
「異なる価値観にたくさん触れたことで、食の問題の根深さや、自分の取り組みの意義を改めて見つめ直す機会にもなりました」
学んだ言葉を使いこなせるようになりたい。そんな思いをきっかけに、新たな関係をむすび、刺激し合えるのがグローバルコモンズという場所だ。京都産業大学の異文化交流の中心地として、これからも多くの出会いをうみだしていくだろう。
※掲載内容は取材当時のものです。