平成29年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

春学期:アンケートの回答率は75%(1642/2191)であった。「授業への出席率80 %以上」が全体の90%となっており、一部の学生を除いて高い出席率となっている。シラバスを活用している割合が51%であり、確認していない学生とほぼ同数である。「この科目で学びの面白さを感じた」および「自らの成長を実感することができた」学生は、全体の53%および52%と約半数が肯定的な回答をしている。一方、そう思わない学生が、12%および11%と約1割に存在している。学生が学びたいと考えていた内容と実際のカリキュラムとの不整合が原因ではないかと考えられる。また、この科目の到達目標を60%以上達成できたと考えている学生は83%にのぼる。
秋学期:アンケートの回答率は67%(1268/1892)であった。回答率が春学期に比べて下がっているのは、授業出席率の低下を意味している。「授業への出席率80 %以上」が全体の85%となっており、一部の学生を除いて高い出席率となっている。ただし、このアンケートに回答しているという時点で選択的に出席日数が多い学生が対象になっており、選択的効果が表れている可能性が高い。シラバスを活用している割合が54%であり、確認していない学生とほぼ同数である。「この科目で学びの面白さを感じた」および「自らの成長を実感することができた」学生は、全体の48%および50%と約半数が肯定的な回答をしている(ただし、春学期に比べて若干、低下傾向である)。一方、そう思わない学生が、13%および11%と約1割に存在している。学生が学びたいと考えていた内容と実際のカリキュラムとの不整合が原因ではないかと考えられる。また、この科目の到達目標を60%以上達成できたと考えている学生は81%にのぼる。
全学期を通して、昨年度と結果は大きく変わっていない。特に「シラバスを活用している学生の割合が低い」という課題があったが、この点については昨年度から大きな改善を図ることができておらず、今後、更にガイダンス等での説明に時間をあてる必要がある。
また、昨年度にも課題とした「到達目標/理解度の数値化」については、回答率が回答者の約4割と低く、学生が到達目標を判断しかねている様子がうかがえる。コア科目等の到達目標を文章として提示しているが、その内容が具体的にどのレベルのことを意味するのか学生には判断できないためであろう。やはり定期的に小テストなどを実施して目標とするレベルを自己確認させる必要があるが、授業科目によっては授業時間的にもそうした対応が困難な場合もある。今後の課題であろう。

2. 「公開授業&ワークショップ」についての報告 

(1)参加人数

  1. 「公開授業」:11月27日(月):気象物理学A(高谷 康太郎 准教授)
    教員7名(うち2名は途中入退場)、事務職員1名
  2. 「ワークショップ」:11月27日(月)開催
    教員6名(授業者を含む)、事務職員1名

(2)ワークショップでの意見交換内容

平成29年11月27日(月)4時間目 サギタリウス館413教室
高谷 康太郎 准教授の気象物理学Aを見学後、主としてその授業に対してのコメントを交換することで進んだ。ただ、ワークショップが5時間目になるためか学生の参加がなかった。

  • ホワイトボードが反射して、特に上部の文字はほぼ読めない。
    (授業者から)この部屋を主に使う学部の授業はパワーポイントを使うことが多いので、板書を想定した作りになっていないものと思われる。
  • 教科書選定の基準は?
    (授業者から)教科書の「一般気象学(東京大学出版会)」は、気象学をある程度知っていれば理解できる内容であるが、導入には難解である。一方で簡単な教科書がない。内容を抽出して、きっかけを与えられれば良いと考えている。
  • 私語をしたり、寝たりしている学生がいないが何か工夫しているか?
    (授業者から)普段から、授業内でプレッシャーを多少感じるように、ランダムに学生数名を当てている。板書をゆっくりし、同じ解説を3~5回と繰り返して理解を図っている。

3. 総括

(1)1. と2. において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

教員の授業の行い方、すなわち話し方や板書の仕方、また授業中の練習問題などは概ね良好である。

(2)1. と2. において確認された改善すべき点

教育の質保証に向けた「到達目標/理解度の数値化」の取り組みであるが、更に完全すべき点が見られる。次年度の課題として、学生に到達目標をいかに認識させるか?という点に注力したいと考えている。

4. 次年度に向けての取り組み

授業アンケートや公開授業&ワークショップを行い各種FD活動を連動する形で授業内容の改善に役立てる。また、公開授業&ワークショップへの教員の参加率を高める努力を行う。
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