平成28年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」

1.「学習成果実感調査」についての分析結果

春学期)アンケートの回答率は77% (1353/1763) だった。授業への出席率は80%以上であり、全学平均を上回っていた。一方、「シラバスを活用」している割合は54%で、全学平均より低かった。「科目に満足したか?」の設問のポイントは3.7(満点5、以下同じ)、「成長を実感したか?」は3.6で、いずれも比較的良好だった。これらの結果は昨年度までの理学部の結果と大きな変化はなかった。

秋学期)アンケートの回答率は72% (1097/1520) だった。授業への出席率は80%以上、「シラバスを活用」している割合は50%で春学期と近い結果だった。「科目に満足したか?」、「成長を実感したか?」の設問のポイントは3.8、3.6でこれも春学期と似た結果だった。

全学期を通して
今年度テーマの「到達目標/理解度の数値化」について主に述べる。
  • 昨年度、他の設問に比べ回答者数が少ないという問題があった。
    周知の強化を図ったところ、春学期は回答者数は増加し65% (前年度60%) となった。しかし秋学期は57%に低下した。他の設問の回答率が高い(90%以上)にもかかわらずこの設問の回答率が上昇しないのには、根本的な原因があるものと推察される。すなわち、学生が自分自身がその授業をどれぐらい理解しているかということを判断しかねていると考えられる。これはある意味正直で慎重な態度である。まさに「到達目標/理解度の数値化」のむずかしさに関係していると考えられる。
  • 到達目標が設定されている科目とされていない科目で、回答する設問が異なるが、これの混同が多く認められた。
  • 上記混同があるため数値は参考にとどまるが、到達目標が設定されている科目のポイントは(春学期3.2 秋学期3.1)、設定されていない科目は(春学期3.3 秋学期3.4)だった。理解度がこれらポイントにとどまっている理由はいろいろ考えられるが、いずれにしろ上昇させる余地が残されており、その分析、対応は今後の課題である。

2. 「公開授業&ワークショップ」についての報告 

(1)参加人数

  1. 「公開授業」: 学生38名、教員3名、事務員2名 
  2. 「ワークショップ」:学生12名、教員4名、事務員2名

(2)ワークショップでの意見交換内容

10月6日(木)代数学・幾何学ⅠB 東谷章弘先生 にて実施ベクトルの一次独立、一次従属についての授業
  • 教員の声は大きくはきはき話しており良好
  • 授業中学生は静かに聞いていた
  • 学生が授業内容を理解できているかどうかを、学生に問いかけて確認を行っていたのでよかった。
  • 板書量が多いことがこの授業の特徴だった
    多い板書を書きながら、話しを聞いて、授業を理解していくのは難しいかもしれない印象
  • 教員は板書をスピーディーに書いていた。そのためすこしきたない
    テンポよく授業をすすめることを考えた場合致し方ないところではある。授業の進め方どこに力点を置くかの問題
『学生からのコメント』
  • 先生がおもしろい、親しみやすい、声が大きい、板書大事な部分色つけて書いてくれる、わかるまでおしえてくれる、など好評だった。

3. 総括

(1)1. と2. において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

教員の授業の行いかた、すなわち話し方や板書の仕方、また授業中の練習問題などは概ね 良好である。

(2)1. と2. において確認された改善すべき点

教育の質保証に向けた「到達目標/理解度の数値化」の取り組みであるが、まだまだ改善すべきことが数多くある。むずかしい取り組みであるが、問題点を一つ一つ明確にしシステム向上が望まれる。

4. 次年度に向けての取り組み

授業アンケートや公開授業&ワークショップを行い授業内容の改善に役立てる。公開授業&ワークショップへの教員の参加率を高める努力を行う。
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