令和4年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

令和4年度春学期、外国語学部では、昨年と同様、全ての開講科目を対象として学習成果実感調査を実施した。その結果、対象科目519のうち514科目で調査が行われ(実施率99%)、履修者総数11,466人のうち6,850人(回答率59.7%)から回答を得た。実施率、回答率共に昨年同期(90%、48%)を大きく上回った。特に回答率は10ポイント以上の伸びを見せたが、この点は、教員の周知徹底という地道な努力のほかに、今学期実施された回答方法の変更によって、学生が回答するうえでの利便性が高まったためではないかと考えられる。対面授業の割合は昨年同時期と比べて増加しており、授業形態だけを見れば、コロナ前に戻りつつある。そのため、今後教員には、対面授業の中でICT技術を活用し、学生を引き付ける工夫が求められることから、本学部では今年度、海外との交流を視野に入れたあらたなICT活用型教育の促進を目的に、学部全体の基盤づくりに取り組むことを目標に掲げている。
学部全体の授業に対する満足度は平均4.21(4.27)で、「総合的にみて本科目に満足しているか」の問いに、「強くそう思う」と「そう思う」と答えた割合は86(88)%に達している。この数字に昨年同期から大きな変化はなく、対面授業が増えたことによる直接的な影響は見られない。満足度が高かったのは研究演習で、「総合的にみて本科目に満足しているか」の問いに、「強くそう思う」と「そう思う」と答えた割合が96(98)%に達している。研究演習では、事前事後学習の時間、「授業の到達目標」への到達度についても学部平均を大きく上回っており、学生は科目の目的を理解し、積極的に学習に取り組み、一定の達成感を得ていると言える。少人数で専門性の高い内容についての議論や発表を主とする研究演習は、最も「密」な科目であり、コロナと同時に入学し、長期にわたってオンライン授業を余儀なくされた現3年次生にとっては待望の大学らしい授業だったことが、モチベーションを高めたと考えられる。一方、基礎演習は相対的に満足度が低めである(「総合的にみて本科目に満足しているか」の問いに「強くそう思う」と「そう思う」と答えた割合が79(80)%)。昨年同期の86(88)%と比較しても満足度は若干下がった。基礎演習はひとクラスの人数が30人程度と専攻語の大多数の科目に比べて多い。自由記述欄には「クラスの人数が多い」「グループワーク時のグループの人数が多い」などのコメントが見られ、密度の高い教室活動を求める学生には物足りなさが残ったことが満足度に影響したという側面が否定できない。その他科目の記述欄においては、これまで同様教員のきめ細やかな指導とパワーポイントの質の高さなどが学生から評価されたほか、ぺアワーク、グループワークなどアクティブな教室活動が肯定的にとらえられていた。
ポストコロナ時代の授業においては、上述のような学生の傾向を理解した上で、安全により密度の高い教室活動を展開することが肝要である。そのためにはコロナ禍で整備されたICT環境と教員のICT技術を多いに活用し、学部全体で海外とのオンラインによる各種交流を視野に入れたCOIL型教育の具体的な授業方式を模索し、基盤を整えることは時宜にかなっていると言える。
※( )内の値は出席率が80%以上の学生を対象とした場合の値です。

PAGE TOP