令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

外国語学部は2020 年度から「教員のICT スキルの向上」を旗印とする新カリキュラムをスタートさせた。これがどのような教育的効果を生み出すのかを継続的に検証し、必要に応じて迅速に対処することを目的として、本学部では、昨年度と同様に、全ての開講科目で学習成果実感調査を実施した。具体的に春学期は、対象となる525 科目のうち489 科目で実施し(実施率93.14%)、履修者11,885 人のうち6,017 人が回答した(回答率50.63%)。今回はすべての科目がオンラインでの授業となり、教員同士の対面での情報交換などが不十分であったことなどから昨年よりも大幅に回答率が下がってしまった。ほぼ半数ということもあり、学部全体の傾向などを正確につかむには不十分なサンプル数となってしまった。
授業の内容に関してはリアルタイムでのオンライン授業が68%、動画配信16%、テキストのみ11%、その他5%であった。100%リアルタイムで授業を行っている専攻もありほぼ時間割通り授業を進めている科目が大半であることがわかった(特に1 年次の必修専攻語90%がリアルタイム)。
インターネットの環境を問う設問(設問7、8, 4-1)では、8 割以上の受講者が良好であり操作もうまく出来たと回答していた。授業開始時には少し戸惑っていた人も徐々に操作方法やWiFi 環境などを向上させ比較的うまく受講できていたことがわかった。一方で、1 割強の学生が通信環境の不具合と端末の問題を抱えており、すべて学生が良好な環境でオンライン授業ができたわけではなかった(設問4-2)。
授業内容に関する設問(設問9、10、11、12)では、授業への積極的な取り組み、理解度、スキルの習得、授業内容の満足度で高ポイントの回答が多かった(平均約4.2 ポイント)。これは昨年までの対面授業と比べても遜色がなく(むしろ上回っている?)、様々な問題があったとしてもオンライン授業が比較的成功を収めたと言ってもいいかもしれない。しかし、これらの評価も「テキストのみの授業」では比較的低い傾向が見られた。
コメントとしては、レポートなどでフィードバックがありやる気が増した、丁寧に質問に答えてくれたなどの好意的なものが多く見受けられた。一方で、テキストのみの授業では、情報の共有が不十分でやるべきことがわからないなど否定的なコメントもあった。他にも、リアルタイムでやる必要はあるのか、グループワークではサボる人が多い、人間関係がうまく築けない、課題が多すぎて深い学びができないなど問題点もあった。
授業形態によって授業内容の満足度などに違いが出ている点に関して何らかの改善が必要である。秋学期は、オンライン授業の良い点と対面授業での良い点をうまく組み合わせることができれば相乗効果も期待できるのではないか。

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