令和2年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」

「学習成果実感調査」についての分析結果

文化学部では演習科目を調査対象としているが、全体的にオンライン授業の影響があるように思われる。まず設問1(授業参加の程度)については15回中12回以上参加した者の割合は92%となっており、昨年度の82%よりもさらに高い数値が出ている。設問2「履修するにあたってシラバスを確認したか」についても昨年度(80%)を上回る89%の学生が「確認した」と回答している。一方、設問2-2(シラバスに記載された準備学習等の指示を参考に学習を進めた)の割合は「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を含め64%となっており、シラバスの活用方法について検討する余地があるものの、昨年度の58%よりは高い数値となっており、授業参加の意欲の高さが窺われる。一方、一回の授業あたりの準備学習等の平均時間(設問3)では、平均して2時間以上行っている学生の割合が33%と昨年度秋学期(38%)よりも低い数値となっている。また学部独自の設問においては、設問6(グループワークの意義の実感)が64%(「強くそう思う」と「そう思う」を合わせた数値)、設問7(フィールドワーク学習や調査研究の面白さの実感)が64%(「強くそう思う」と「そう思う」を合わせた数値)となっており、昨年度(設問4、79%、設問5、85%)を大きく下回り、オンラインによる影響が現れていると思われる。設問8(文化に対する興味・理解の深まり)も83%と肯定的な回答が大勢を占めているものの昨年度(94%)からは後退している。また、設問9(本・文献を読むことの大切さの実感)では「強くそう思う」+「そう思う」の割合は、82%と昨年度(92%)に次ぐ高い数値ではあるが、設問10(本・文献を読む習慣が身に付いたかどうか)では、「強くそう思う」+「そう思う」の割合が51%と昨年度(74%)から大きく後退しており、図書館へのアクセスがなかったことなども一因と思われる。一方、設問11(総合的に見て受講科目に満足しているか)では92%が「強くそう思う」「そう思う」と答えている。また、今回独自の設問4-1(オンライン授業で使用した通信機器や接続方法で円滑に学習を進めることができたか)では89%が「できた」「どちらかといえばできた」と回答し、設問5(授業で使用した通信機器や接続方法で学習意欲に変化があったか)では「高まった」「どちらかといえば高まった」「変わらなかった」で86%を占めている。設問1の出席率の高さとも相関しており、学生はオンライン授業のデメリットだけでなく、メリットも感じていることが示唆されている。今後はオンライン授業のメリットを生かしてカリキュラム改善を図る余地があると言えるだろう。また、引き続き、文化学部独自の取り組みである「むすびわざブックマラソン」プロジェクトと連携し、オンライン図書なども併用しながら、初年次から本(文献)を読むことへの動機づけ・意識づけ・習慣づけをさらに推進していくことが望まれる。


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