学部長メッセージ

理学部長 牛瀧 文宏

京都産業大学は、1965年に設立し、宇宙物理学者であった荒木俊馬初代総長の下、経済学部・理学部の2学部体制でスタートしました。理学部は、本学の設立当初から続く、最も歴史の古い学部のひとつなのです。本学創設者である荒木俊馬博士は、大学は実社会から遊離した象牙の塔であってはいけない、と考えておられました。実社会は経済と科学技術が両輪となって進むものであり、そのためにこそ、経済学部と理学部という 2学部で大学をスタートしたのです。

理学部は、こうした建学の理念を引き継ぎ、具現化する存在として発展してまいりました。現在、理学部は、数理科学科、物理科学科および宇宙物理・気象学科の3学科で構成しています。先進的な学問研究は言うまでもなく、建学の精神に掲げられた、「将来の社会を担って立つ人材の育成」を目標に、数学、物理学、宇宙物理学、気象学の基礎教育を充実させ、徹底した少人数教育によって専門性の高い教育を行うことを基本方針としています。

数理科学科には、代数学・幾何学・解析学・応用数理・数学教育など、幅広い分野を専門とする教員が在籍し、学生は講義・演習・セミナーといった多様なスタイルを通して、基礎から応用までの数理科学を学ぶことができます。学びにおいては「数学教育コース」と「BizMathコース」を用意しており、「数学教育コース」では中学高校の数学教育を大学で学ぶ現代数学の高い見地からも含めて俯瞰・把握する一方で、「BizMathコース」では企業等に就職したときに役立つ統計や線形計画法等の数学を学ぶことができます。

物理科学科は、ミクロの世界から地球環境まで、自然界に横たわる理(ことわり)を研究する学科です。学生たちは理論を学びながら、実験や実習で理解を深めます。様々な高度な実験計測機器を備えた実験室を用意し、基礎教育から研究まで、物理学の真髄を目の当たりにすることのできる設備を整えています。学びにおいては「スペシャリスト支援プログラム」として、新しい物質を実際に作って性質を調べる「物性・材料実験講座」と、「コンピュータ物理学講座」を展開しています。さらに、「宇宙産業コース」と「半導体産業コース」を用意しており、社会につながる物理学を修得することができます。

宇宙物理・気象学科には、太陽系、太陽系外惑星、ブラックホール、銀河、宇宙論などをテーマとする宇宙物理学部門と、地球や惑星の大気現象をテーマとする気象学部門があります。また、京都産業大学神山宇宙科学研究所とも連携をしており、理論・観測・機器開発・データ解析といった様々な面で、宇宙物理や地球・惑星の気象学を学ぶことができます。2年次までは両部門の基礎を学び、3年次からは自分の興味に従って専門分野を決め、観測や実験を通じて学びを深めます。そして、ここで培った力はその専門領域はもちろんのこと、ビッグデータを扱う仕事にも生かされます。

このように理学部の各学科では一流の研究者による質の高い専門教育を展開しており、学生たちは自らの将来を見据えて学びを深めていくことができるのです。

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