釜坂 祐子 さん

略歴

出身校:岐阜県立斐太高等学校
外国語学部言語学科スペイン語専修 2000年3月卒業
在エクアドル日本国大使館 勤務
(2007年11月現在)
現在、私は在エクアドル日本国大使館で勤務しています。南アメリカ、エクアドルの首都キト市へは6年前に国際交流サービス協会から日本大使館勤務派遣員として赴任してきました。

京都産業大学外国学部スペイン語学科在籍中、その当時できたばかりの留学制度を活用して行ったアルゼンチン、ブエノスアイレスでの留学経験を経て、大学卒業後どうしてもスペイン語を生かして仕事がしたいと探した結果、たどり着いたお仕事でした。

派遣員というのは、外国語に通じていることを前提として、世界各国にある大使館、総領事館等で大使館員と現地の人たちとの間で様々な業務補助をするいわば“何でも屋さん”です。2年間という契約期間で、私はエクアドルに派遣されました。採用時、一般常識及びスペイン語ができることはもちろんですが、それと同様に要求されるのが精神的な強さ、若しくは安定度だったのではないかと思います。見ず知らずの土地で大使館業務のサポートをするにあたって、精神面、体力面での自己管理ができない場合はいかに大学の成績が良いから、語学ができるからといっても、“つかえない”人材だからでしょうか。特にキト市は、標高2,800メートル(富士山の8合目)という世界でも有数の高地にある首都で、体質的に慣れない方は不眠や、頭痛などに悩まされることもあります。幸い私は環境からの悪影響はほとんどなく、エクアドルの美しい自然を堪能することができました。エクアドルは日本とほぼ同じ大きさの国で、その中には大きく分けてガラパゴス諸島を含む海岸地方、標高4,000メートル級の山が連なる山岳地方、そしてアマゾン川源流が流れる熱帯雨林のアマゾン地方と3つあります。気候、習慣、食べ物など大きく異なるそれぞれの地方はとても魅力的で世界各地からの観光客を楽しませてくれます。キト市は1978年に世界遺産に指定された、スペイン植民地時代の特徴を色濃く残す旧市街と高層ビルが並ぶ新市街とが融合した興味深い街です。ボリビアなどと並んで先住民の人口に占める割合が非常に高く、それぞれの部族の衣装を着て生活する人々を街角で見かけることもいたって普通です。

派遣員としての赴任期間終了後、タイミングよく欠員が出たポストに採用していただくことなり再び大使館に現地職員として勤務しています。

大学時代に学んだことを使って仕事ができる、こんな素晴らしい人生に今はただただ感謝するばかりです。京都産業大学ではスペイン語学科を含め語学コースは授業がとても限られた人数で進められるので、先生方との距離は他の学部の大講堂で行われる講義とは全く質の異なるものだと思います。夜更かししたのか、課題はやってあるのか、ごまかしようがありませんからね(笑)。とにかく、「学生」という漠然とした枠組ではなく一人ひとり個別の指導を受け、そういった先生方との関係があったからこそ、興味の幅を広げることができたのだと改めて実感します。さらにゼミや学祭での展示発表や模擬店などを通して、同じスペイン語を学ぶ先輩後輩との交流から受けた刺激も特別な大学生活を作り上げる要素でした。

今の社会に通用する学力や考え方を身につけそれを自分の知識として使えるよう、大学での日々から最大限に叡智を吸収して欲しいです。
キト旧市街の夕暮れ
大統領府と大聖堂
コレア大統領と一緒に
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