「LSIの社会での役割とその安全性について」

報告者 吉村 正義(情報理工学部 教授)
開催場所 京都産業大学 11号館11205教室+オンライン(Teams)
開催日時 2024年6月26日(水)15:00~16:50

研究会概要

6月26日に世界問題研究所では本年度第3回の定例研究会を実施した。講師として本学情報理工学部教授の吉村 正義 先生をお迎えし、「LSIの社会での役割とその安全性について」と題してご講演をいただいた。

LSI(大規模集積回路)は、PCや家電等の日常的に使用される機器はもちろん、AIや自動運転、果ては軍事兵器にいたるまで、最先端機器の開発に不可欠の工業製品である。そのため、その生産技術や生産能力は、情報工学等の高度な科学技術の発展に関わるのみならず、経済政策や国家戦略といった社会科学的課題にも大きく関与する。

今回のご講演では、LSIに関する基礎的な知識と歴史から説き起こし、その上で国際的な生産体制の動向やネットワーク上の様々な問題、模造品ビジネス等の社会問題、さらに情報セキュリティに関する研究動向など、多岐にわたる貴重な知見をご紹介いただいた。このような豊かな内容から、LSIが現代世界において有するきわめて重要な社会的意義があらためて浮き彫りになった。

ご講演後の質疑応答では、「LSI技術に関する国際法上の規制はどこまで可能か」「悪意のある回路を潜ませる動機は何か」「インドにおけるLSI技術の発展の動向はどのようなものか」「セキュリティ技術についての日本の今後の技術的発展の見通しはいかなるものか」等の質問が寄せられ、活発な質疑応答がなされた。

吉村先生には、専門外の研究者にも理解が可能なように、高度な内容を丁寧にご説明いただき、理系研究者と文系研究者の交流のための貴重な機会をご提供いただいた。先生のご協力とご配慮にあらためて感謝申し上げたい。
報告中の吉村教授
議論の様子
PAGE TOP