構成員(研究テーマ)

氏名 所属 職名 専門分野
高橋 純一 生命科学部
先端生命科学科
センター長/准教授 保全生態学
三瓶 由紀 生命科学部
産業生命科学科
准教授 環境農学
中野 幹久 経営学部
マネジメント学科
教授 経営学
西田 貴明 生命科学部
産業生命科学科
教授 環境政策学
松島 佳子 現代社会学部
健康スポーツ社会学科
教授 栄養学

客員研究員

氏名 所属 職名 専門分野
若宮 健 東京科学大学
総合研究院難治疾患研究所
特別研究員 バイオインフォマティクス

高橋 純一(生命科学部 先端生命科学科 准教授)

ミツバチはハチミツの供給にとどまらず、花粉交配による生物多様性や作物の安定生産、文化・教育など、多様な活動を通じて生態系サービス全体に深く関与する存在です。私はミツバチの生態や送粉行動、生産物の流通などを総合的に研究し、経済的価値や教育的応用にまで展開してきました。中でも京都産業大学で飼養しているミツバチ由来のハチミツについては、健康への機能性や各種科学的分析による安全性・品質評価を進めており、遺伝子解析によるHoney DNA解析技術も確立しています。これにより、生態系評価の新たな手法としての活用が期待され、民間との連携による受託解析事業も計画されています。これらの実績を踏まえ、環境農学、政策、経営、栄養といった多分野の教員とともに、新たに「生態系サービス研究センター」を設立し、学際的研究と社会実装を推進していきます。

三瓶 由紀(生命科学部 産業生命科学科 准教授)

私たちの生活は、自然環境から得られるさまざまな「恵み」である生態系サービスによって支えられ、成り立っています。このような地域の自然資源の利用にあたっては、その保全や持続可能な利用に向けた社会システムを解明することが必要です。また、これらの自然資源を支えてきた伝統的な知識や技術には、現代においても高い価値があり、その重要性を人々が認識し、多様な主体によって地域のランドスケープが維持・保全されていくことが期待されます。
このような観点から、里山や農地など、人々の暮らしと自然との関わりの中で成立してきた二次的自然環境を主な対象とし、伝統的知識や技術、景観としての活用可能性を明らかにし、保全・活用に向けた地域づくりの方向性について検討していきます。
さらに、近年では、大学が研究や教育の成果を社会に還元し、地域社会に貢献することが強く求められており、そのあり方も知的貢献にとどまらず、地域との協働など、多様化しています。今後、大学に求められる地域連携の方策として、環境教育活動の可能性についても検討してまいります。

中野 幹久(経営学部 マネジメント学科 教授)

「京都産大ハチミツ」を活用した商品を開発するには、学外組織とのコラボレーションを創出するサプライチェーンの構築が不可欠です。そこで、本研究では、商品の開発から調達、生産、流通・販売に至る各過程において、関連企業やサプライヤーとの連携を強化し、効率的で信頼性の高い体制を構築することを目的とした研究を行います。 商品開発の主体は学生とし、「京都産大ハチミツ」を活用して、若者をターゲットとした新たな商品を企画・開発することを想定しています。こうした取り組みを通じて、本学ならではのブランドを確立し、食・健康・環境・教育を包括する視点から、研究者・学生・産業界・地域社会が一体となることにより、大学の魅力と信頼性を高めてまいります。最終的には、持続可能な社会の構築に貢献する大学としてのイメージを確立することを目指します。

西田 貴明(生命科学部 産業生命科学科 教授)

生態系サービスの持続的な利用に向けたグリーンインフラの社会実装を目指した研究や社会実践に取り組んでいます。生態系サービスとは、自然が人間社会にもたらす恩恵であり、それを将来にわたり享受していくためには、自然環境を社会の基盤として位置づけるグリーンインフラの導入が重要です。私の研究では、特に地域ににぎわいをもたらし、人々のwell-beingを高める都市緑地や、希少な動植物の生息・生育の場となる森林・草地に注目し、それらの生態系が提供する多様なサービスの評価と可視化を行っています。加えて、こうした評価結果を地域社会と共有し、計画・政策に反映させるプロセスの設計や、制度・経済的枠組みの整備にも取り組んでいます。現在はいくつかの地域と連携し、グリーンインフラの社会実装に向けた協働の場づくりを進めながら、生態系サービスを暮らしやまちづくりに活かす新たなモデルの構築を目指しています。

松島 佳子(現代社会科学部 健康スポーツ社会学科 教授)

健康を維持するためには、毎日の食事から適切な量のエネルギーと栄養素をバランスよく摂取することが重要です。近年では、それに加え、食品の持つ機能性に着目し、健康をサポートする食品を積極的に取り入れることの重要性が認識され、注目されています。
ハチミツは、世界中で広く親しまれている自然食品であり、古くから健康維持に役立つ食品として注目されてきました。ハチミツは、血糖値上昇が比較的緩やかであることや抗酸化作用を持つことなどが知られており、運動時の効果的なエネルギー補給や疲労回復などに応用できる可能性があります。また、その独特の甘みと風味は多くの人に好まれ、単なる甘味料ではない価値があります。
本研究では、「京都産大ハチミツ」を用いて、アスリートの運動パフォーマンスの向上や女性の健康維持に貢献できる食品の開発を目指します。ハチミツの機能性を活かし、多様な視点から活用方法を探ることで、日常の食事に取り入れやすい形で提供することを目標としています。科学的根拠に基づいてハチミツの機能性を明らかにし、新たな食品の開発を通じて、人々の健康維持に貢献したいと考えています。

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