生態系サービス研究センターについて
生態系サービス研究センターは、ミツバチやハチミツに関する学際的研究を基盤に、持続可能な社会の実現と地域社会への貢献を目指して2025年4月に設立されました。ミツバチは、ハチミツの供給という直接的な利活用に加え、花粉交配を通じた生物多様性の維持や、農作物の安定生産といった多様な「生態系サービス」に不可欠な存在です。近年ではその重要性が世界的に見直されており、環境・農業・健康・文化などの分野において幅広い影響をもたらしています。
本センターでは、ミツバチやハチミツに関する科学的評価にとどまらず、健康食品としての応用や品質保証技術の開発、関連商品のマーケティング、サプライチェーンの構築、さらには生態系保全や農業の持続性に資する教育教材の開発など、分野横断的かつ実践的な研究を展開しています。特に、DNA解析などの先端技術を活用し、ミツバチの行動やハチミツの成分を精密に分析することで、新たな科学的知見の創出とその社会還元を進めています。
また、学生サークルとの連携も積極的に行っており、学生主体のプロジェクト推進や地域との協働、さらには大学発ベンチャーの設立も視野に入れた取り組みを進めています。こうした活動は、学生にとっても実践的な学びの場となり、教育の質向上や大学の社会的価値の向上にもつながっています。
今後も本センターは、異分野融合による研究と社会実装の促進を通じて、自然と人との関係を見つめ直す新たな視点を提供し、本学における知の創造と地域貢献の中核拠点としての役割を果たしてまいります。