京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2016 Jul. Vol.72

社会で挑戦する卒業生から、次の挑戦者たちへ。 バトン in a relay of challenge チャンスを見つけて行動しよう! 木下学 PROFILE ( 株) ホテルニューアワジ 代表取締役社長 木下学さん 1991年 経営学部 卒 2011年より(株)ホテルニューアワジ神戸(神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ)の代表取締役社長。2015年4月、ホテルニューアワジグループの代表取締役社長に就任。

木下さんの挑戦ヒストリー 在学中 体育会ゴルフ部に入部し、仲間と切磋琢磨。4年次には副主将として部を牽引。 お互いを認め合い、共に励んだ仲間たちは、今もかけがえのない存在です。 卒業後 大手ホテルグループで現場を経験したあと、祖父が開業した(株)ホテルニューアワジに入社。 現在 神戸ベイシェラトンホテル&タワーズを再生するため、同ホテルの代表取締役社長に就任。淡路島、香川、神戸に10軒を展開する(株)ホテルニューアワジの代表取締役社長に。 サービスの質を向上するため、料理の味見など、ホテルの隅々まで状況を把しています。

今回の後継者候補 私も質問しました! 経営学部 4年次生 蒔田 謙一さん( 京都府・京都産業大学附属高校出身)

経営者として、どんな挑戦をされていますか。 当社にとって初となる、大ホテルの再生を実現しました。

六甲アイランドに位置する神戸ベイシェラトンホテル&タワーズは、かつて「三宮から"20分も"かかるホテル」として都市部のホテルとの価格競争に巻き込まれていました。ホテル業界からは「再生はムリ」といわれていましたが、わかりきった成功だけを狙っていては、会社は生き残れません。私は同ホテルの再生の依頼を受けて代表取締役に就任し、「地域の魅力を活かし、発信すること」「神戸にない位置づけのホテルにすること」を軸に、立て直しを図りました。神戸には夜景や神戸牛など多くの魅力があり、また、ベイシェラトンホテルには世界的なブランド力があります。さらに、同ホテルには尼崎市から明石海峡まで見渡せる大パノラマの夜景や周囲が海というリゾート感、そしてユニバーサル・スタジオ・ジャパン®や関西空港など大阪湾沿いの主要施設からのアクセスが良好という条件が揃っていました。その上、この地域では温泉が出ることが知られており、旅館のような和のおもてなしが実現可能だったのです。そこで、これらの魅力を訴求しながら、源泉かけ流しの温泉を作ることで独自の立ち位置を確立しました。付加価値を高め、「三宮から"たった20分"で行ける、贅沢なホテル」という位置づけに変えていったのです。その結果、お客さまの人数が約3割増加。今では年間16万人以上の方にご宿泊いただいています。

家業を受け継いだ今の展望を教えてください。 ホテル・旅館を核に、地方創生に貢献したいです。

一般的に、ホテルは画一的、旅館は地域密着のイメージがあると思いますが、昨今はその垣根がなくなりつつあり、ホテルの魅力を高めるうえでも、旅館のような地域との連携が不可欠です。神戸ベイシェラトンホテル&タワーズの再生では、神戸の魅力を発信するために、兵庫県内の食材を中心としたメニューを用意し、「シェラトンマルシェ」という食のセレクトショップを併設しました。多くの人が訪れるホテルが「ローカルな魅力で世界をもてなす」ことで、兵庫や神戸の食の認知、さらにはブランド力向上に貢献しています。それがホテルの魅力をさらに高めるので、ホテル・旅館と地域が手を取り合うことで、お互いの魅力を高め合う好循環が生まれるのです。この経験を活かし、今後は他の地域でもホテル・旅館を核にしたまちおこしに取り組みたいと考えています。そして「おもてなしの国」にふさわしい新しいリゾートのカタチを探り、実現していきたいですね。

経験から生まれる生きた力こそが、社会に出てから大きな武器となります。学生の皆さんには、その力を身につけるために、さまざまな事に積極的にチャレンジしてもらいたいですね。失敗することよりも、失敗を恐れて何もしない事を恐れなければなりません。 木下さんから、バトンタッチ! ゴルフ部の合宿でホテルをお借りしたこともあり、以前から木下さんのご活躍はうかがっていました!今回お話をうかがい、私も卒業までにできる限り行動し、経験の幅を広げていかなければと感じました。ありがとうございました!

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