生態系サービス研究センターを開設
—ミツバチを軸に地域と社会につながる学際研究を推進
2025.05.20
2025年4月、ミツバチやハチミツに関する学際的な研究を推進する新たな拠点として「生態系サービス研究センター」を設立しました。本センターは、ミツバチがもたらす多様な「生態系サービス」に着目し、持続可能な社会の実現と地域社会への貢献を目指します。
ミツバチを切り口に、学際的・先端的研究を推進

センター長を務める高橋純一准教授(生命科学部)は、ミツバチの生態、送粉行動、ハチミツの品質や機能性、文化的意義などに関する研究を長年にわたって展開してきました。
ミツバチは、花粉交配を通じて生物多様性の維持や作物の安定生産に寄与する重要な存在であり、環境・農業・健康・文化といった複数の社会課題に密接に関わっています。
本研究センターでは、DNA分析や次世代シーケンス技術を活用し、ハチミツの品質評価、安全性の検証、生物多様性のモニタリングなどを推進しています。
また、経営学部や現代社会学部など、分野を超えた専門領域の教員が連携し、送粉サービスの経済的評価や、生態系サービスに関する実践的・応用的研究も進めています。サプライチェーンの構築や販売戦略まで含めた、学際的な研究展開が本センターの大きな特徴です。
ミツバチは、花粉交配を通じて生物多様性の維持や作物の安定生産に寄与する重要な存在であり、環境・農業・健康・文化といった複数の社会課題に密接に関わっています。
本研究センターでは、DNA分析や次世代シーケンス技術を活用し、ハチミツの品質評価、安全性の検証、生物多様性のモニタリングなどを推進しています。
また、経営学部や現代社会学部など、分野を超えた専門領域の教員が連携し、送粉サービスの経済的評価や、生態系サービスに関する実践的・応用的研究も進めています。サプライチェーンの構築や販売戦略まで含めた、学際的な研究展開が本センターの大きな特徴です。
地域・企業・学生との連携による社会実装の展開
研究センターのもう一つの大きな柱が、研究成果の社会実装です。大学キャンパス内で飼育するミツバチから採れた「京都産大ハチミツ(仮称)」を、品質・安全性の観点から科学的に分析し、ブランド化・商品化することを目指しています。
また、スポーツ栄養や女性の健康を支える食品の開発にも着手しており、今後は地域や企業との連携を通じて、製品化や普及に向けた展開を進めていきます。こうした取り組みには、学生の活動とも連携しながら、実践的な視点を取り入れた開発が行われています。
また、スポーツ栄養や女性の健康を支える食品の開発にも着手しており、今後は地域や企業との連携を通じて、製品化や普及に向けた展開を進めていきます。こうした取り組みには、学生の活動とも連携しながら、実践的な視点を取り入れた開発が行われています。
教育・文化の現場へ広がる生態系サービスの価値
本センターでは、和歌山県のみなべ町・田辺市の世界農業遺産「ウメシステム」と連携し、梅とミツバチの共生に着目した関連商品の開発や、地域の関係機関と連携したスタディツアーの企画に取り組んでいます。一方で、ミツバチや送粉サービスに関しては、その経済的価値や環境保全効果を調査し、企業研修や学校教育に活用できる教材や普及啓発ツールの開発を進めています。これらの取り組みを通じて、生態系サービスの理解促進と地域との協働を推進しています。
生態系サービス研究センター構成員
- 高橋 純一(センター長/生命科学部 准教授/保全生態学)
- 三瓶 由紀(生命科学部 准教授/環境農学)
- 西田 貴明(生命科学部 教授/環境政策学)
- 中野 幹久(経営学部 教授/経営学)
- 松島 佳子(現代社会学部 教授/栄養学)