起業家はおもしろい!「アントレプレナーシップと戦略」の講義でゲストスピーカー講演

2024.11.27

11月21日(木)、経営学部の森口文博助教が担当する『アントレプレナーシップと戦略』の講義において、KMユナイテッド株式会社代表取締役の竹延幸雄氏がゲストスピーカーとして講演を行いました。講演のテーマは「人を活かし、技に生きる。~人材育成経営による新たな価値創造への挑戦~」でした。KMユナイテッドは、建設や塗装現場の課題解決を通じた価値創造により成長を遂げてきた企業です。新進気鋭の起業家である竹延氏は、自身の想いと価値創造の秘訣を語り、京産大生に熱いエールを送りました。

現場の課題を徹底的に分析し、課題解決を通じた価値創造

塗装のニーズが高まる一方で、3K(きつい・汚い・危険)として敬遠されがちな建設業界では人手不足が深刻です。竹延氏は、娘婿として入社した塗装会社の株式会社竹延でこうした課題に疑問を抱き、2013年に職人を育成目的とする会社を創業しました。竹延氏は建設・塗装の現場を徹底的に分析し、業界の常識を見直し、次々と課題解決の事業を展開してきました。

例えば、体に良くないとされるシンナー性塗料を水性塗料に切り替える際の塗ムラの課題については、スプレーで塗装を行う技術で特許権を取得し、事業展開しました。また、塗装技術の技能伝承が難しい点については、熟練職人の作業を撮影し、その一挙手一投足を言語化して動画で伝える「技ログ」というサービスを開発しました。

こうした竹延氏のビジネスは国の企業表彰を複数受賞しており、現場の課題を解決することを通じてビジネスを生み出すプロセスを語る竹延氏の話に学生たちは懸命にメモを取り、真剣に聞き入っていました。

事業に対する強い想い

自ら社会人大学院生として学んだ経営工学の知見から、建設・塗装の現場監督の仕事の約55%が書類管理であることを見出し、現場監督が本来の力を発揮できるように、ノンコアである書類管理をサポートする「建設アシスト」という事業を開発しました。竹延氏は、コアの仕事に集中することで生産性が高まると語ります。

また、ノンコアである書類管理の仕事はリモートでも行える点に着目し、女性や外国人など多様な人材を積極的に採用し、徹底的に人材育成することで、これまで働けなかった人材が活躍できる環境を整えました。「人を活かし、技に生きる。」という経営理念のもと、「人は入った大学ではなく、会社に入って伸びるかが大事である。努力し続ける人が正当に報われる社会を作りたい。」と語る竹延氏の熱い想いに学生たちは圧倒されました。

起業家はかっこいい

竹延氏は「スティーブ・ジョブズが25歳で成し遂げた時価総額を54歳(=3年後)の時に達成できそうだ。何かを始めるのに遅すぎることはない。」と語り、起業家に憧れを抱いた幼少期の思い出を学生たちに共有しました。「起業家は新しいスポーツだ!何でも自分で決められる。自分で好きなことができる」と語り、挑戦することの重要性と楽しさを伝えました。

また、学生には「〇〇の竹延です」といった自身のストロングポイントを作り、周りに自分のやりたいことをどんどん発信してほしいとエールを送りました。

竹延氏の熱意あふれる講演はあっという間に終わり、学生から次々と質問が上がりました。講義時間内では質問に答えきれず、講義後も10人以上の学生が竹延氏の前に列を作り、その後も1時間以上にわたり熱心に質問に答えてくれました。

学生からの感想

  • 自分が改めて毎日を大切にしようと思える講義でした。
  • 『Impossible is Nothing』という言葉に感動しました。そういう社会になってほしいと思いましたし、自分たちがこれから取り組む課題だと思いました。
  • 挑戦はいつからでも遅くなく、思い立ったらすぐに挑戦するべきだという言葉に勇気づけられました。

といった声があり、いつもの講義とは一味違った刺激を受け、今後の学生生活への意気込みを高めていました。

アントレプレナー育成プログラム

本学のアントレプレナー育成プログラムでは、文系・理系10学部の全ての学生がワンキャンパスで学べる起業家育成プログラムを2023年度より正課教育として導入し、アントレプレナーシップに関する基礎・応用の学びの場を提供しています。

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