【外国語学部】国際シンポジウム「古典の再生」を開催しました

2023.02.22

2023年2月11日(土)・12日(日)の2日間にわたって、京都産業大学むすびわざ館で、国際シンポジウム「古典の再生」が、ハイブリッド方式で行われました。本シンポジウムは対面とオンラインを合わせて14か国472名が参加登録し、会場には多くの方が訪れました。
長引くコロナ禍で、国内外で活躍する研究者間の交流が激減し、停滞していましたが、このシンポジウムでは、国際的に活躍する5カ国(アメリカ・イタリア・カナダ・ドイツ・カザフスタン)の日本文学研究者を招き、日本の古典の活用や現代的課題解決との関わりを見出すことを目標として、日本の「古典の再生」について、様々な視点から問題を掘り下げ、討議しました。対面で行われたことにより、研究者や教員、ライブラリアン、大学院生や一般の方を含めた国際学術交流が、一気に推し進められた有意義な国際研究集会となりました。
 
 
初日は、本学外国語学部長の平塚徹の開会の挨拶の後、基調講演と3つの発表を元にパネルディスカッションと特別プレゼンが行われました。2日目は、3つのセッションが行われ、日本古典の特質や、受容と再生の歴史、世界への拡がり、そして未来に向けての可能性について、優れた国際感覚を持つ国内外の研究者が活発に討論しました。
初日終了後には登壇者を囲んで、1時間程度の懇談の場も設けられ、会場に来られた参加者から熱心な質問が寄せられました。休憩時間を利用して、多くの参加者が意見を交わし、新しい繋がりや発想が生まれ、本学の大学像「むすんで、うみだす。」に相応しい国際交流の場になりました。オンライン参加者を含めて、「刺激を受けた」「考えさせられた」という感想が多数寄せられ、SNSでも多くの反響がありました。
 

プログラム

2月11日 パネルディスカッション「再生する古典」

基調講演 

古典×再生=テクスト遺産 エドアルド・ジェルリーニ(カフォスカリ大学)

発表

  • 18-19世紀における王朝文学空間の再興 盛田帝子(京都産業大学)
  • 琉球における日本古典文化の受容 ロバート・ヒューイ(ハワイ大学)
  • 古典の再生—古事記・日本書紀・風土記の翻訳と海外における受容 アンダソヴァ・マラル(早稲田大学)
  • ディスカッサント 荒木浩(国際日本文化研究センター)

司会 飯倉洋一(大阪大学)

特別プレゼン

古典本文をWEBに載せる 永崎研宣(人文情報学研究所)+幾浦裕之(国文学研究資料館)+藤原静香(京都産業大学非常勤研究員) 司会 加藤弓枝(名古屋市立大学)

2月12日

セッション1「イメージとパフォーマンス」>_

  • 絵巻と『徒然草』絵注釈の間 楊暁捷(カルガリー大学)
  • 人麿画像の讃の歌 佐々木孝浩(慶應義塾大学)
  • 霊媒〈メディウム〉としての古典 ジョナサン・ズウィッカー(UCバークレー)
  • 女房装束の変遷 佐藤悟(実践女子大学)
  • ディスカッサント 山田和人(同志社大学)

司会 盛田帝子(京都産業大学)

セッション2「源氏物語再生史」

  • 女房たちの源氏物語 田渕句美子(早稲田大学)
  • 『源氏物語』享受史における詞の表象 松本大(関西大学)
  • 樋口一葉における和歌と源氏物語 兵藤裕己(学習院大学)
  • ディスカッサント 中嶋隆(早稲田大学)

司会 加藤弓枝(名古屋市立大学)

セッション3「江戸文学の中の古典」

  • 江戸幕府の儒臣と朝廷の文物 山本嘉孝(国文学研究資料館)
  • 紀行文の中の古典 ユディット・アロカイ(ハイデルベルク大学)
  • 上田秋成における〈古典〉語り 飯倉洋一(大阪大学)
  • ディスカッサント 合山林太郎(慶應義塾大学)

司会 有澤知世(神戸大学)

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