コロナ禍でむすんだ絆!ロシア語専攻とロシア民族友好大学がオンライン交流授業を実施しました!

2021.06.07

コロナ禍で学生の留学がままならない状況の中、ロシア語専攻として、どうしたら有意義で実践的な語学授業を行えるかを模索しているとき、協定校のロシア民族友好大学日本語学科と交流授業を実施することになりました。時差(6時間)を考慮しながらの日程調整と授業方法のすり合わせを3ヶ月かけてクリアし、ヨーロッパ言語研究演習I(外国語学部ヨーロッパ言語学科ロシア語専攻北上光志先生担当)の授業で、5月25日と6月1日に、本学ロシア語専攻3年次生とロシア民族友好大学日本語学科3年生による弁論大会を開催することになりました。北上先生担当の研究演習は、ロシア語と日本語のアスペクトの使い方を小説や映画などを分析しながら学習することを目的にしているので、今回の交流授業の趣旨と合致したのです。

【5月25日】

5月25日(ロシアの「言語学者の日」)は、本学のロシア語専攻3年次生(5名)が「私にとってのロシア」というテーマでロシア語スピーチを行い、ロシア民族友好大学の学生が審査員(5名)を務めました。もちろん全てロシア語で、日本語は厳禁です。
最初にロシア民族友好大学のVorkina Kseniya先生が交流授業の意義と本学の協力に対する感謝の意が述べられ、その後、ロシア民族友好大学の学生(Din' Min')が司会を務め、本学のロシア語専攻3年次生のスピーチ(4分)のあと、ロシア民族友好大学の学生が質問(5分)をするという形で弁論大会が進行しました。スキー服でスピーチをする者、写真を見せる者、タブレットを使って説明する者など、原稿を丸覚えするのでなく、スピーチに様々な工夫を凝らしました。しかし、留学経験の乏しい本学の学生たちが最も苦労したのは、スピーチよりもロシア語の質問に答えることでした。同じ年齢の若者の話すロシア語との真剣勝負は、非常にスリリングでしたが、どこか充実した喜びも学生たちは感じ取っていました。スピーチを行わなかった学生たちも交流授業参加報告書を作成し、積極的に交流授業に取り組むことができました。ロシア民族友好大学の学生による審査の結果、最優秀賞(田端恵梨惟)、優秀賞(酒井裕資)、努力賞(片山雅人)が決まりました。弁論大会の結びにロシア民族友好大学のVorkina Kseniya先生から本学学生へのねぎらいの言葉があり、それを受けて本学の北上先生が次回の交流授業に向けての抱負を語り、1日目を終えました。

(5月25日の交流授業風景は、ロシア民族友好大学のVorkina Kseniya先生のインスタグラム動画を参照)

【6月1日】

6月1日(ロシアの「国際こども保護の日」)は、ロシア民族友好大学日本語学科3年生(6名)が「私にとっての日本」というテーマで日本語スピーチを行い、本学のロシア語専攻の学生が審査員(審査員5名、サブ審査員6名)と司会進行を務めました。この日はロシア語を一切用いず日本語だけにし、スピーチ時間は4分、質問時間は5分で進行しました。今回、審査する側になった本学の学生は、弁論大会を進める手順、役割分担などについて前もって入念に打ち合わせを行い挑みました。スピーチの内容は、富士山登頂、空手、アニメ、音楽、和食と多岐にわたりましたが、日本語を学ぶきっかけは6人全員が日本のアニメ。これは、前回の弁論大会で本学の学生が語ったロシア語を学ぶ動機が全員異なっていたことと対照的であり、両国が持つお互いの国に対するイメージの違いが反映される結果になりました。ロシア民族友好大学の発表者の日本語能力レベルは甲乙つけがたいほど高く、協議を重ねに重ね、本学の学生全員による評価得点と審査員の判断を総合して、最優秀賞(Boreskova Aleksandra)、優秀賞(Din' Min')、努力賞(Lyubimova Viktoriya)を決定しました。交流授業の締めくくり、ロシア民族友好大学の児玉直子先生からの「私たちの学生は2回の交流授業で貴大学の学生と知り合いになれました。これからも繋がりを持ちたいと願っています。」という申し出に、ロシア語専攻の学生たちは「私たちも是非そうしたいです。」と迷うことなく即答し、2日間の交流授業を終えました。
学生たちはコロナ禍で互いに留学ができないという物理的距離を強いられましたが、今回の交流授業を通して、単に語学上達を目指すだけでなく、人種を超えた人と人との精神的結びつきの大切さを実感しました。
このような機会を与えてくださったロシア民族友好大学日本語学科のVorkina Kseniya先生、児玉直子先生、そして、学生の皆さんに心から感謝いたします。有難うございました。
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