16 伊勢・宮忠 六角棒(蘇民将来)
伊勢、志摩地方では、家の門口に一年中しめ飾りを飾る。その中央には「蘇民将来子孫家門」や「蘇民将来子孫門」と書かれた木札が下げられている。松下社(三重県二見町松下)は「蘇民の森」ともいわれ、毎年12月に「蘇民将来子孫」と書いた桃符を配布し、人々はそれを注連縄に吊るして厄を逃れると伝えている。このように蘇民将来は、伊勢、志摩の民俗として定着しているが、伊勢神宮横のおかげ横丁の神具店、宮忠ではしめ飾りだけではなく、六角棒の蘇民将来が販売されている。そこにはドーマン・セーマンの呪符が記される。
(大江 篤)