5 中西敬房 『風雨賦国字弁』

安永6(1777)年刊。江戸中期の暦数・天文学者である中西敬房(?~1781)の編述。天文気象を歌った「風雨賦」に和文による注解と55枚の図をつけたもの。風雨賦は明・王鳴鶴の兵書『登壇必究』に引く「風雨賦」に拠ったことが序文に見える。天文気象図を収録する乾冊(『図翼』)と、本文・注文のみの坤冊に分かれる。天象に基づき気候をうらなう占辞が多いが、「君正しく臣忠なれば先づ風ふきて後に雨ふる」「上に驕(おご)り下も諂(うたが)へば始めに雨ふりて終りに風ふく」のように祥瑞・災異にかかる占辞も見える。
(佐々木聡)
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