1 『陰陽五要奇書』河図・洛書図

乾隆55(1790)年楽真堂刊。河図(かと)・洛書(らくしょ)は、『周易』の繋辞上伝に「天は象を垂れて吉凶を現し……河は『図』を出だし、洛は『書』を出だせば、聖人これに則(のっと)る。」とあるように、代表的な祥瑞の一つとされた。その理解は様々であるが、展示の『八宅明経』(『陰陽五要奇書』所収)には、抽象図像化された河図・洛書が見える。●は陰数(2・4・6・8・10…)、○は陽数(1・3・5・7・9…)を表しており、河図は1~10を五行に、洛書は1~9を九宮にそれぞれ配当し、象数の持つ神秘性を表している。

(佐々木 聡)

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