京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2015 Apr. Vol.67

先生と一緒に、驚きの世界を見に行こう!Hello New World! 法学部 中谷 真憲教授 フランスの公共政策を主な研究対象とし、政策から国や都市の政治文化を探る。ゼミではグローカル人材の育成を目指し実践的な活動を展開。 フランスの移民政策が鍵になる!?世界が恋するKYOTOづくり

1 学生の感性で、京都を「世界に選ばれる」魅力ある街へ!

私は二年前に、ゼミ出身生と共にNPO法人グローカル人材開発センターを立ち上げました。今、このNPOは京都の全ての経済団体から理事を迎え、多くの大学の学生が集うオール京都の拠点にまで成長しています。京都市や京都府との協働事業も積極的に仕掛けています。中核は、やはりゼミの学生たち。先斗町で町の人と共に外国人観光客の集客アップに挑んだり、日本酒メーカーと「ノンアルコールの日本酒」の若者向けプロモーションを考えたり…。企業トップと学生が膝を突き合わせて飲む、という機会を持てるほど、社会で認められる活動になりました。これらは全て、学生の学びと共に公共政策を市民主導で進めるための仕掛けなんです。

1 学生の感性で、京都を「世界に選ばれる」魅力ある街へ!

「公共政策」について興味が湧いたという人のために、改めてご説明しましょう。公共政策とは、国や地方自治体が実施する様々な施策のこと。ゴミの収集から国の外交まで、幅広く市民生活に関わる分野です。法律の知識に加え、地域の課題を的確に捉える力が必要ですから、冒頭のような実践を積極的に行っているのですね。
私たちがフィールドとしている京都は、世界から注目が集まる一方で、伝統産業の衰退や山間部での過疎化など多くの課題を抱えています。ゼミではその課題解決に取り組む地域団体や企業との恊働プロジェクトを通じ、身近な行政へ政策提案するための視点や手法などを学んでいるのです。具体的には、京都北部の中丹地域で学生目線から里山文化の魅力を世界へ発信することを目指すなど、「グローカル」な地域再生に挑んでいるところです。

2 「これからの京都」を考えるヒントは、フランスの移民政策にあり!?

2 「これからの京都」を考えるヒントは、フランスの移民政策にあり!?

地域に世界の力を持ち込む「グローカル」の手法は、グローバル化の現代においては非常に有効といえるでしょう。しかし、単に世界の成功事例を真似るだけでは問題解決はできません。つまり、世界中どこにでもあるものばかりが地域に増えていけば、「地域の個性」が薄れ、競争力まで失われてしまいます。いかに「京都らしさ」を残しながら、世界から「新しさ」を取り入れるか。その難題について、私の主な研究対象であるフランスの移民政策がヒントになると見込んでいます。地域の魅力づくりと移民問題、両者は異なる問題のようですが、「多文化共生」がキーワードであることは同じ。フランスが移民を受け入れる際、移民文化とどのように共生してきたのかという過程には、今後の京都を考えるための様々なヒントがあるはずと私は考えます。

3 経済界と協働開発した資格、GPM(グローカルプロジェクトマネジャー)四月から始動!

GPM

マーケティングや意見交換など、実社会で実践を繰り返し、学生は社会で通用するコミュニケーション力を磨きます。その中で文献から得る知識の重要性にも気づかされ、知識を応用する力を身につけるのです。私の最終目標は、こうしたゼミでの学びを通じ、地域社会をより良く変える力を育むこと。そのため、アクティブな学びをした学生たちの採用を進めるために、グローカル人材開発センターで、地域企業や経済団体などと連携し、採用の際に評価対象となる「グローカル人材資格制度(資格名称GPM)」も開発しました。これは四月から様々な経済界のバックアップを得て稼働します。この制度を確固たるものとし、大学の知を地域に還元する人を一人でも多く育てていく。
それが教員としての私の使命と感じています。

中谷先生のハマりもの!

神社、特に古代社巡りが長年の趣味です。
多い年では年間50社ほど巡りましたね。
神社の由来を尋ね歩き、独自に「邪馬台国の位置」を検証したりもします。実は元・阪神タイガースの桧山選手とは小学校の同級生なので、野球を見るのも好きですね。

中谷先生のハマりもの!

中谷先生のハマりもの!

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