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- 2015 Apr. Vol.67
僕たちが吉本興業に所属した当時は、若手は最初に「オーディションステージ」と呼ばれる舞台に出演します。お客さんの投票で選ばれた優勝者が、上のステージに昇格するという仕組み。それが4段階もあるんですが、僕たちはトップステージへ行くまで4年かかりました。最初はもう全然ウケなくて。「出なきゃ良かった!」と心底落ち込みましたし、悔しかった。お笑いは勝ち負けのセオリーがない難しさがありますから、悩みながらネタ作りをしていました。“流行の感じ”を取り入れたらもっと早く人気が出たかもしれません。でも二人ともそれは嫌で、自分たちの笑いを模索していました。
悩んでいた頃、笑い飯さんや千鳥さんたち先輩方が僕たちのことを「面白い」とほめてくださって、先輩方のライブに出してもらえたことが自信になりました。石田靖さんやハイヒールリンゴさんも、同じ大学出身ということでかわいがってくださって、本当に有り難いです。
ここ数年は仕事が増えましたが、賞はいつもあと一歩…。そこで一年程前、「自分たちはもっと本気を出せるはず」と、月一で新ネタだけのライブを始めたんです。生活のほとんどをお笑いに捧げてネタを作り、稽古を繰り返していたら、NHK新人お笑い大賞の選考に残ることができました。さらに決勝直前まで初舞台並みに必死で稽古して、ついに念願の優勝を掴めたんです。努力した分、結果が返ってくるんやなとしみじみ思いましたね。コントで目標達成した次は、漫才でも受賞するのが目標です。僕たちは笑いの中に、“大学生みたいに純粋で楽しそうなノリ”を入れることを大切にしていますが、思えば、大学での最高に楽しかった思い出が、そこにつながっているんでしょうね。神山祭の舞台に立っていた学生の頃から、そんな笑いへのこだわりは何も変わっていないんですよ。