「京都産業大学むすびわざプロジェクトinあやべ」中間報告会(あやべ市民大学)の開催

2021年11月24日(水)、綾部市ものづくり交流館において、「京都産業大学むすびわざプロジェクトinあやべ」中間報告会を開催しました。今回は「あやべ市民大学」として、本学教員3名による京都府綾部市に関係する講義を行うとともに、教員、学生が綾部市でフィールドワークやオンラインによる調査研究を行っている事業の中間報告を行いました。

講座

経営学部の松本 和明教授は、「渋沢栄一と波多野鶴吉 再考」と題して綾部市にゆかりのあるグンゼ株式会社の創業者である波多野鶴吉と渋沢栄一の類似した経営思想や地域振興についてや、渋沢栄一の蚕糸業との関わりと取り組みおよび波多野鶴吉との接点について、昨年度、綾部市との連携事業で実施した事業報告会後、新たに調査した二人の取り組みを中心にお話しされました。

現代社会学部の滋野浩毅教授は、「綾部の『関係人口』としての学生の役割とは」と題して、近代社会の「都市化」の歴史や、農山漁村に関する意識調査に加え、「関係人口」の定義、大学、学生の関係性について講義されました。

経済学部の寺崎友芳教授は、「リアル・オプションと観光資源開発-小さく産んで大きく育てる戦略-」と題して、投資のリスクを最小化するリアル・オプションの手法と留意点に関する講義を行いました。また、リアル・オプションの手法を用いた観光資源開発として、山口県長門市の元乃隅神社と、和歌山電鐵貴志川線のたま駅長の事例を紹介し、綾部市でのリアル・オプション的な思考による小さく産んで大きく育てる観光資源開発について提言されました。

活動発表

松本和明ゼミの活動報告では、グンゼ株式会社の歴史や経営理念を中心とした調査報告と、綾部市の振興にかかる提案を行うための今後の活動計画について発表を行いました。

滋野浩毅ゼミの活動報告では、3年生は綾部水源の里での調査で発見した、特産や自然、コミュニティの魅力について報告し、その魅力を活かした天文館パオでのイベントやカフェ&子ども食堂の実施計画について発表しました。また、綾部市の情報発信についてのヒアリング調査や、あやべ市民新聞の記者さんと行っている活字メディアとしての新聞に関する意見交換についての考察をまとめ報告を行いました。4年生は、2年生から行ってきた集落の調査から導き出したボランティア、学生、綾部市、メディアとの関係についての考察や、Uターンや自転車など独自に設定したテーマに関する調査について中間報告を行いました。

寺崎友芳ゼミの活動報告では、「稼ぐ力に繋がるまちの情報発信」を共通テーマに3班が発表を行いました。1班は、観光振興を中心にSNSを活用した情報発信の成功事例と綾部市の情報発信の取り組みを整理し、今後は綾部市の観光資源をより魅力的に見せるようなSNS活用のアイデアを提案するため調査を進めていくと発表しました。2班は、移住者を増やした地域の情報発信の特徴を整理したのち、綾部市の移住促進政策の特徴を報告し、今後は、フィールドワークの経験をもとに綾部市の更なる移住促進に貢献できるような取り組みを考ていくと発表しました。3班は、ふるさと納税で地域の歴史資源や自然資源に触れる機会を提供する体験型プログラムを返礼品とする事例や、綾部市のふるさと納税獲得の取り組みに関して報告しました。今後は、体験型のふるさと納税プログラムの提案と効果的な情報発信について、調査を進めていくと発表しました。

当日は、山崎善也 綾部市長にも参加いただき、ご挨拶いただくとともに、発表を終了した学生へ声をかけていただくなど、今後の綾部市での活動について激励をいただきました。
参加者からは「素晴らしい内容でした。又、講義に伺いたいです。引き続き、綾部での研究を進め、地域に入りこんで欲しいです。」「様々な視点から地域の発展に繋がることが分かった。」と感想が寄せられました。

※本事業は、京都府「人・まち・キャンパス連携支援事業」で採択を受けた「京都産業大学むすびわざプロジェクトinあやべ」の一環として行っています。
経営学部 松本和明 教授の講座
松本ゼミ 学生の発表
現代社会学部 滋野浩毅 教授の講義
滋野ゼミ 学生の発表
経済学部 寺崎友芳 教授の講義
寺崎ゼミ 学生の発表
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