2020年度「若泉敬記念基金」懸賞論文表彰式開催

2021.03.24

京都産業大学世界問題研究所主催の2020年度「若泉敬 記念基金」懸賞論文表彰式が、2021年3月17日(水)にMicrosoft Teamsを利用してオンラインで開催されました。世界問題研究所の所員や関係者、懸賞論文の入賞者など17名が参加しました。

「若泉敬記念基金」懸賞論文は、長年にわたって世界問題研究所所長を務めた故 若泉 敬 教授の寄付をもとに設置された「若泉敬記念基金」の活動の一環として実施されています。本学の学生を対象に「今日の世界問題に関するテーマを各自で設定し、副題をつけて論じる」というテーマで論文を募集したところ、本年度は様々な学部から1年次生による応募も含めて16篇の応募作があり、二席3篇と佳作3篇の計6篇が入賞しました(一席は該当作なし)。

表彰式では世界問題研究所所員の耳野 健二 現代社会学部教授が司会進行を務めるなか、所長の川合 全弘 法学部教授から所長挨拶と応募作全体に対する講評があり、「この懸賞論文企画も18回を重ねることによって、論文としての水準が着実に上がってまいりました。とりわけ、資料に基づく堅実な立論、主張の論理的構成、日本語表現の正確さなどの基本的な諸点において大いに進歩が見られます」といったお話がありました。また、二席の3篇については所員の久保 秀雄 法学部准教授から、佳作の3篇については所員の中谷 真憲 法学部教授から、個別に講評が行われました。

講評の後には、入賞者一人一人から執筆時の苦労や今後の抱負などについて語ってもらいました。入賞者からは「入賞を目指して1ヶ月近くずっと論文を書き続けてきた成果がこのような結果となってとても嬉しい」「名誉ある賞を頂けて大変光栄で、お世話になった先生方に深く感謝するとともに、今後も精進していきたい」「論文の執筆が大学生活の後半で最も楽しい経験になった」といったコメントが寄せられました。

最後に、来賓として参加した加藤 敦典 現代社会学部准教授から「まずは応募したこと自体が立派であるし、入賞した方はそれに付け加えて内容も立派だったということで、とても素晴らしいと思います」と祝辞を頂きました。

二席

  • 外国語学部国際関係学科3年次生 今江 俊哉
    「日本におけるヘイトスピーチ—国際人権法からの考察—」
  • 外国語学部国際関係学科3年次生 林 怜一
    「新自由主義批判-社会的共通資本の保護を目的とした経済政策の実現にむけて-」
  • 法学部法律学科4年次生 舟山 浩司
    「米中冷戦・ポストINF時代における我が国の抑止力体制~敵基地攻撃能力がもたらす抑止力の役割と必要性、冷戦期との比較~」

佳作

  • 法学部法政策学科4年次生 杉下 晋作
    「金融の将来について——求められる理念と主体性——」
  • 外国語学部国際関係学科3年次生 堀 清香
    「教育格差をなくすために—質の高い教育の観点から—」
  • 現代社会学部現代社会学科4年次生 増澤 久弥
    「社会主義国家ベトナムにおける高齢者福祉の価値観と今後の展望—中国・旧ソ連社会主義との比較を中心に—」

若泉敬 記念基金

若泉 敬(わかいずみ けい 1930-1996年)国際政治学者。東京大学法学部、ロンドン大学院卒業。1965年に本学教授として招聘され、1966年世界問題研究所所員となり、1970年から1980年まで同研究所所長を務める。1992年退職時には退職金の全額を同研究所の活動資金として寄付、同研究所では2001年にこれを「若泉敬記念基金」と命名。若者の教育に熱心だった若泉教授の精神を学生に還元するため、講演会開催、懸賞論文募集などの経費に運用している。

入賞者のみなさんと来賓の加藤准教授
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