社会安全・警察学研究所の研究が、欧州との社会科学分野における国際共同研究プログラム(ORAプログラム)に採択されました。

2020.09.15

本学社会安全・警察学研究所所員、浦中千佳央法学部教授を日本側研究代表とする、「警察の説明責任の国際基準化」に関しての研究が日本学術振興会の欧州との社会科学分野における国際共同研究プログラム(ORAプログラム)に採択されました。

本プログラムは、欧州等4か国の主要な学術振興機関(French National Research Agency(ANR)(フランス)、German Research Foundation(DFG)(ドイツ)、Economic and Social Research Council(ESRC)(英国)、Social Sciences and Humanities Research Council of Canada (SSHRC)(カナダ))が連携して実施する社会科学分野の国際共同研究プログラム(Open Research Area for the Social Sciences, ORAプログラム)に参画する日本側研究者を支援することで、社会科学分野における多国間国際共同研究を強化し、高いレベルの相乗効果を実現させることを目的としています。

社会安全・警察学研究所と共同研究を行うコンソーシアムを構成する予定の欧州の研究代表先は、ベルリン経済法科大学(ドイツ)、ダンディー大学(英国)、フランス国立科学センター(フランス)、ケベック大学トロワリヴィエール校(カナダ)です。

研究テーマである「警察の説明責任」は世界規模でホットな話題となっています。それはアメリカから始まった「Black lives matter」(黒人の命も大切だ)運動の影響です。この発端は警察官が黒人男性を逮捕時に窒息死させたことで、まさに、「警察(官)の行動とそれへの説明責任」、「警察と市民との関係性(特にマイノリティーに関して)」がクローズアップされています。警察の説明責任は世界各国で異なりますが、何か共通項が見つかるのではないかという。
さらにコロナ禍により、諸外国では外出禁止令が出され、外出時におけるマスクの着用が義務付けられたりしました。この監視を警察が行い一部市民と摩擦を起こしています。コロナ禍において、現在のところ日本では警察の役割は限定的ですが、いわゆる「自粛警察」、「マスク警察」と呼ばれる、社会や個人が警察的役割を自発的に行い、過剰反応なのではないかと議論が起こっています。警察だけに焦点を当てるのではなく、社会、政治(政策)との関係性、社会文化に着目するのも本研究の射程です。
「警察への民主的統制」、「警察と市民の関係はどうあるべきか」について、国際共同研究を通して、解明が進められたらと考えています。

PAGE TOP