京都力養成コース「京都の宗教をめぐる歴史と社会-多様な資料と手法によるアプローチ-」開催

2018.06.02

5月12、19、26、6月2日の4日間、京都力養成コース「京都の宗教をめぐる歴史と社会-多様な資料と手法によるアプローチ-」を開催しました。

本講座は京都市と公益財団法人 大学コンソーシアム京都が主催する「京カレッジ」市民教養講座として開講したもので、京都をフィールドに深く学ぶために本学文化学部の教員と日本文化研究所 上席特別客員研究員(京都検定1級合格者)の計9人の講師によるリレー講義形式で行いました。10年目を迎える今年度は、京都の宗教に焦点をあて、宗教と政治、神仏習合、神仏分離などをキーワードに、古文書や写真・地図などを使い、それぞれの調査、研究成果を紹介しました。

5月26日は、「京都北嵯峨の名刹を訪ねて~愛宕山を駆け降りた仏たち~」と題し、広隆寺・清凉寺でフィールドワークを行いました。広隆寺では、楼門や13種類ある門の様式の違いについて、また、霊宝殿で国宝の「宝冠弥勒菩薩」(弥勒菩薩半跏思惟像)、「宝髻弥勒菩薩」(弥勒菩薩半跏思惟像)などを見学し、仏像の種類や作成された時期の違いについて学びました。次に清凉寺を訪れ、本堂でその沿革や、本尊 釈迦如来像の説明を受けた後、霊宝館で、阿弥陀三尊坐像、釈迦十大弟子像、釈迦如来立像体内納入品などを見学しました。

講義終了後のアンケートでは、「研究員の視点での研究が大変身近に感じられ、自分もこのような研究ができたらうれしいと思った」「新しい知識を知ることができ、勉強になった」「フィールドワークでは豊富な知識に基づいた話で大変参考になった」などの感想が寄せられました。

各回の講義テーマ

≪1日目≫

  • 第1講義 「このプログラムの紹介、総論:京都の宗教をめぐる歴史と社会」若松 正志 文化学部 教授
  • 第2講義「門跡寺院の定規筋について」初田 貞明 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第3講義「朝廷とキリシタン」榊原 貴子 日本文化研究所 上席特別客員研究員

≪2日目≫

  • 第4講義「古代の広隆寺と太秦・花園」吉野 秋二 文化学部 教授
  • 第5講義「広隆寺『木造聖徳太子立像』の謎」田代 美智代 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第6講義「愛宕山と愛宕信仰」髙井 信樹 日本文化研究所 上席特別客員研究員

≪3日目≫

  • フィールドワーク「京都北嵯峨の名刹を訪ねて~愛宕山を駆け降りた仏たち~」中江 好喜 日本文化研究所 上席特別客員研究員

≪4日目≫

  • 第7講義「待賢門院建立の法金剛院から見た寺院の変遷~平安時代から現代まで~」鈴木 久男 文化学部 教授
  • 第8講義「明治維新と神社—『丹波国一宮』出雲神社の維新—」笹部 昌利 文化学部 助教
「このプログラムの紹介」、「総論:京都の宗教をめぐる歴史と社会」について講義する若松教授
「門跡寺院の定規筋について」講義する初田上席特別客員研究員
「朝廷とキリシタン」について講義する榊原上席特別客員研究員
「古代の広隆寺と太秦・花園」について講義する吉野教授
「広隆寺『木造聖徳太子立像』の謎」について講義する田代上席特別客員研究員
「愛宕山と愛宕信仰」について講義する髙井上席特別客員研究員
フィールドワークで訪れた広隆寺
楼門について解説する中江上席特別客員研究員
「待賢門院建立の法金剛院から見た寺院の変遷~平安時代から現代まで~」について講義する鈴木教授
「明治維新と神社—「丹波国一宮」出雲神社の維新—」について講義する笹部助教
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