タンパク質動態研究所 講演会シリーズ「ようこそ、タンパク質の不思議な世界へ」第3回開催(2月22日)

2020.01.23

新型コロナウイルス感染拡大の防止に関するお願い

新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から、風邪のような症状がある方は参加をお控えください。また、ご参加いただく方も、マスクの着用、咳エチケット、手や指を洗うなどの感染予防対策にご協力ください。

タンパク質は生命活動を担うもっとも重要な分子です。タンパク質が働く〈場〉が細胞であり、細胞が集まって個体を作ります。タンパク質の働きの異常は、直接個体レベルの病気にもつながり、老化などとも密接な関わりを持っています。
この講演会シリーズでは、タンパク質(分子)、細胞、個体という3つのステージを視野に置きながら、生命活動のおもしろさと、そして、その不思議な世界へ皆さまを招待いたします。

日時 【第3回】
2020年2月22日(土) 14:00~(13:30開場)
場所 京都産業大学 むすびわざ館2Fホール
(京都市下京区中堂寺命婦町1-10)
交通 ※むすびわざ館に駐車場はありません。
公共交通機関をご利用ください。
備考 各回定員400名(事前申込不要・入場無料)

プログラム

<第1部> 講演「ミトコンドリアって、こんなにおもしろい」

遠藤 斗志也
(京都産業大学生命科学部 教授)

プロフィール
1953年東京都生まれ。理学博士(東京大学)。1982年群馬大学工業短期大学部助手、1987年同助教授、1986-88年バーゼル大学客員研究員、1989年群馬大学工学部助教授、同年名古屋大学理学部助教授、1991年同教授、2014年京都産業大学総合生命科学部教授、2019年から現職。ミトコンドリア生合成と維持の仕組みの研究に従事。アフリカ音楽に精通。

講演要旨
ミトコンドリアは私たちが生きていくために必要なエネルギーの大部分を作り出す,細胞内のいわば発電所です。ミトコンドリアが元気に働けば細胞も元気になり,私たちも健康でいられます。ミトコンドリアの調子が悪くなると,いろいろな病気や老化につながると言われています。ミトコンドリアは,もともとは私たちの祖先の細胞に入り込んだ細菌が,長い進化の中で,細胞内に定着して今日の姿になったものです。今日でも細胞内のミトコンドリアは,自分自身で構成成分のタンパク質や脂質を作り出すだけでなく,ミトコンドリアの外からも構成成分を取り込んで成長し,分裂して増えます。まるで細胞の中にあるもう一つの生き物のようにも見えます。そんなミトコンドリアの不思議と面白さをお話ししたいと思います。

<第2部> 講演とインタビュー「細胞が自分を食べる:オートファジーの不思議」

吉森 保 氏
(大阪大学大学院 生命機能研究科、医学系研究科 教教授)

プロフィール
1958年大阪府生まれ。医学博士(大阪大学)。関西医科大学助手、欧州分子生物学研究所博士研究員、基礎生物学研究所助教授、国立遺伝学研究所教授、大阪大学微生物病研究所教授を経て、2010年から現職。2017年大阪大学栄誉教授。2018年同生命機能研究科長。マラソン、トレイルランニング、焚き火、ラバーダック、靴磨きなどをこよなく愛する。変人と言われると喜ぶ。

インタビュアー
永田 和宏、遠藤 斗志也

講演要旨
私たちの身体は約36兆個の細胞でできています。ひとつひとつの細胞はとても小さくて目に見えませんが、その中には人間社会を上回る高度な「社会」が存在し様々な営みがあります。私はその営みの一つであるオートファジーについて、2016年のノーベル賞受賞者大隅良典博士と共に研究してきました。オートファジーは、細胞のなかにパックマンみたいなものが現れ細胞自身の成分などを食べてしまう現象です。それによって細胞の部品の入れ替えや有害物の除去を行い、アルツハイマー病、がん、感染症、生活習慣病など多くの病気を防いでいます。また、歳を取るとオートファジーの機能が低下してしまいますが、低下しないようにすると寿命が延び加齢性の様々な症状が抑えられることが判ってきましたので、最新の研究についてもお話ししたいと思っています。

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