体験レポート

モノ造りの現場を実際に調査して、日本の製造業の現状、問題点、将来について考える(2012年度)

国際関係学科4年 池田 祐紀さん

 受身の講義ばかりで退屈していた私にとって国内フィールドリサーチはとても刺激のあるものでした。この授業はモノ造りの現場を実際に調査して、日本の製造業の現状、問題点、将来について考えることが目的です。具体的にどういうことをするのか、簡単に述べますと、自分で研究テーマを決め、その業界について基礎研究をしたうえで訪問企業を選択し、直接アポイントメントを取って企業に赴き、実状についてインタビューし、それらをレポートに纏めるというものです。

 私は国際経済に興味があり、今後の経済成長牽引力の一つとして安定した経済成長が日本や世界各国で見込まれているということで、医療機器産業について調査しました。最初は日経新聞やジェトロセンサー、先行研究者の論文を読み、1から医療機器産業について勉強することから始めました。1週間に1度、先生にどういう事を学習したかを報告していたのですが、熟知していない事を話すと、先生に突っ込まれて答えに口篭る事もありました。

 協力して下さった企業にも自らアポイントメントを取りました。まず、医療機器産業連合会のホームページから関西の企業をリストアップし、1社ずつ連絡を取りました。勿論、快く協力して下さる企業はほんの僅かで断られる事が多かったです。しかし、簡単に諦めずに熱意を上手く伝えれば、協力して下さる人はいるという事も実感しました。企業で働いている人の生の声が聴けるのでフィールドリサーチはとても貴重な経験でした。

 また、調査内容をレポートに纏める時に、厚生労働省の薬事工業生産動態統計年報などの統計資料とこれまでの調査結果を使いどうやって論考を進めていくか、先生の指導を受けながら試行錯誤を積み重ねた結果、レポートを先生や協力して下さった企業に提出する時には、それなりの評価を頂けたのでとても安心しています。

 いろいろ苦労する事はありましたが、私の大学の授業で最も印象に残るものの1つになりました。国内フィールドリサーチは春から秋まで半年以上かけて行う授業であることと、毎年受講者数が少ないこともあり(1人!)、最後まで諦めずに粘り強く取り組める人や他の学生よりも早く自分自身の方向性を見つけたい人にお勧めです。気になる問題について真剣に取り組む事が出来ますので、皆さんにも是非挑戦して欲しいと思っています。私は現在就職活動に取り組んでいますが、やはりこの経験はとても活かされています。

PAGE TOP