ISISの実態と域内関係への含意

報告者 北澤 義之(京都産業大学 外国語学部 教授)
開催日時 2014年12月24日(水)15:00〜18:00
開催場所 京都産業大学 第2研究室棟第1会議室

概要

 北澤義之・外国語学部国際関係学科教授から、「ISISの実態と域内関係への含意」について以下のとおりの研究発表が行われ、それを受けて、参加者一同との間で、緊張感に富んだ質疑が行われた。

研究発表主要点

 ISISは、非人道的かつ非合法な活動を展開し、東地中海地域の不安定化をもたらしており、当事者以外のどのような立場からもこの事態の収拾が求められる。ただし、国際社会が、イスラーム国という名称に示される虚像に過度に踊らされることは、むしろ適切な対応を遅らせ、ISISの戦略に寄与する危険性がある。場当たり的な軍事的対応による域内・国際情勢の不安定化・混乱こそが当該組織の活動を一層容易にする可能性がある。まず、ISISの活動基盤(資金源・支持勢力との関係・内部の対立関係)を十分分析することが求められる。そして、ISISの比較的短期間の勢力拡大がイラク戦争後のイラクの政治体制の問題点に起因していることに注目し、ISISと連携する動きを封じるような中長期的な対応が必要となる。域内的な戦略としては、ISISの作り出そうとしているイラク問題とシリア問題の強引な連動化(不安定領域の連結・拡大)を阻止することが必要となるだろう。


  • 北澤義之氏による報告

  • 会場の様子
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