「文明論から見た「北京コンセンサス」、「「普遍」思想のゆくえ(西田幾多郎と鈴木大拙との思索共同):<場所と即非>−「行の論理」として−」

開催日時 2014年6月25日(水)15:00〜18:30
開催場所 京都産業大学 5号館コミュニティルーム2

概要

 第1報告の報告者は、本学経済学部の岑智偉教授であり、「文明論から見た「北京コンセンサス」について報告した。

 1978年以降に実施された改革政策と開放政策により、中国は世界第2位の経済大国となったが、欧米のような「民主主義」は中国では起きなかった。欧米のような自由主義・民主主義を基礎とする政治経済体制(政治経済モデル)である「ワシントンコンセンサス」に対し、中国のような自由主義(経済面)と「権威主義」(政治面)が併存するような政治経済体制は「北京コンセンサス」と呼ばれ、「北京コンセンサス」=「中国モデル」について様々な議論が巻き起こされていることを紹介した。

 報告では「北京コンセンサス」を肯定、または否定するような議論の理論的根拠を文明論から検討し文明的な衝突は循環論から見た世界規模の富の再分配、経済または文明の移り変わりをどう理解・解釈するのかに依存していると考えられると報告された。

 第2報告は、本学文化学部の森哲郎教授による報告であり、「「普遍」思想のゆくえ(西田幾多郎と鈴木大拙との思索共同):<場所と即非>−「行の論理」として −」について報告した。前半は西田と大拙の思索共同を吟味するために、西田の場所論と共振する大拙の「即非の論理」を大拙後期の30冊の著作から考察することで、「日本発の普遍思想」の可能性を探求した。

 後半は、西田後期の講演を踏まえ「日本文化の問題」における西田の「歴史的世界」論の根本構造を「歴史的身体」を中心に考察した。

 西田と大拙の双方に共通する「普遍思想」の特徴として、「主体を越えて主体の底に物となる」「主体の超克」「主体から世界へ」という方向の可能性が探求された報告であった。


  • 会場の様子

  • 森哲郎氏による報告

  • 岑智偉氏による報告
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