「ユーラシアの台頭と能動的外交」プロジェクトの活動報告
第1回研究会 「沖縄返還交渉と若泉敬」
開催日時 | 2013年7月24日(水)15:00〜18:00 |
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開催場所 | むすびわざ館 4F会議室 |
報告者 | 中島琢磨(龍谷大学法学部) |
報告の概要
龍谷大学法学部・中島琢磨准教授にお越しいただき「沖縄返還交渉と若泉敬」と題し、返還交渉時期における日米公式チャンネルとバック・チャンネル(若泉敬−キッシンジャー)の動きについてご報告いただきました。まず、1967年11月の交渉過程において、日本の外務省側は「(緊急時の核持ち込みに関する)事前協議体制を沖縄には適用しない、代わりに施政権返還を求める」という特別取組案(妥協案)を用意した点、また沖縄返還を前提とした協議に米国を引き込んだことの重要性が指摘されました。次に、核問題に関する秘密文書を要求する米国政府側からのプレッシャーの中、日本外務省は密約文書ではなくその時々の政権の姿勢による政治判断を重視する考えを維持し、「事前協議」の実施は保障するが「事前応諾」は保障しない姿勢を崩さなかった点が確認されました。最後に、バック・チャンネルを通じて若泉は核条項に関する外務省案を護り、米国務省による反対提案を防いだことが浮き彫りになりました。
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中島琢磨氏による報告
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研究会の様子