第1回研究会「国際関係のカタストロフィー現象とその解釈:日中関係を例として」
報告者 | 岑智偉(経済学部) |
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開催日時 | 2013年6月26日(水) 15:00〜18:00 |
開催場所 | むすびわざ館 4F会議室 |
報告の概要
本学経済学部の岑智偉所員が「国際関係のカタストロフィー現象とその解釈:日中関係を例として」と題して報告されました。はじめに、これまでの日中貿易収支や観光産業を振り返りながら、日中経済関係が非ゼロサム的関係であることが確認されました。次に、カタストロフィー理論とゲーム理論をベースにした基本モデルを用いながら、そのモデルに「国益目標の決定要因」や複数の要素を組み込むことで、日中関係の急激な悪化のプロセス、日中関係が囚人のジレンマ(ナッシュ均衡)に陥った要因が説明されました。日中関係の悪化要因として、日中間のパーセプション・ギャップおよび米国というファクターが挙げられました。特に、相手国に誤解を招くようなイメージ・情報がネットを中心として広がっている様子や、東アジアにおける米国の存在の希薄化に対して米国がとっている戦略が日中間に大きな影響を与えているという点が議論されました。
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岑智偉氏 -
研究会の様子
関連論文
岑智偉(2013)「国際関係のカタストロフィー現象とその解釈 : 日中関係を例として」『京都産業大学世界問題研究所紀要』第28巻、347-358。