Vietnam-Japan Relations in the New Context of Regional and World Politics

世界問題研究所・総合学術研究所共催研究会(第5回)

報告者 Pham Quang Minh(Vietnam National University)
開催日時 2012年12月26日(水)15:00~18:00
開催場所 むすびわざ館4F会議室

報告の概要

 今回は、総合学術研究所玉木俊明教授が招聘されたPham Quang Minhベトナム国立大学副学長をお招きし、世界問題研究所・総合学術研究所玉木教授共催により研究会を開催する運びとなりました。Minh氏には「Vietnam-Japan Relations in the New Context of Regional and World Politics」と題し、地域主義における日本−ベトナム関係についてお話しいただきました。

 まず両者の関係史を(1)阿倍仲麻呂の時代から1945年、(2)戦後から1991年、(3)1991年から現在の3つに区分しつつ歴史的背景を概観されました。明治期日本の近代化、日本によるベトナムの占領、冷戦期における「福田ドクトリン」が(1)および(2)の時期における重要な節目であったことが確認されました。また(3)については大メコン圏(Greater Mekong Sub-region)計画を発端とする日本−ASEANの経済的緊密化が焦点となりました。次に、より近年の日本−ベトナム関係の「戦略的」側面が着目され、特に2007年および2009年の「日本−ベトナム共同声明」を通じて、防衛、軍縮、環境問題、経済協力、人的交流など二国間の包括的協力関係に向けた動きが強調されました。同時に、中国の台頭や米国の参入といった要素がこの地域統合における変容の要素として取り上げられました。最後に、急激な変化を見せるこの地域のパワーバランスに対応できるよう、両国の安全保障上の協力体制が今後重要になるという主張がなされました。


  • Pham Quang Minh氏

  • 研究会の様子
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