第3回研究会(1)「戦後韓国の経済発展と日本の自己認識」、(2)「建仁寺両足院の朝鮮通信使関連資料について」

報告者 (1)朴勝俊(経済学部准教授)、(2)朴真完(文化学部助教)
開催場所 第2研究室棟第1会議室
開催日時 2010年7月14日(水)14:30〜18:00

報告の概要

 第1報告者の朴勝俊氏は「戦後韓国の経済発展と日本の自己認識」と題した報告を行いました。戦後韓国経済を第1期(戦後〜日韓基本条約)、第2期(日韓基本条約〜高度成長)、第3期(民主化〜IMF危機)、第4期(IMF危機〜現在)という4つの期間に分けて整理をした上で、日本側の対韓関係評価が右派(経済開発論者)と左派(開発独裁論者)の対極に分かれていたことが明らかにされました。また、「日本の自己認識」の詳細な議論についてはこれからの課題であることが確認されました。

 続く朴真完氏は「建仁寺両足院の朝鮮通信使関連資料」を紐解きながら、17〜18世紀に輪番僧が通信使との外交において果たした役割について報告されました。(1)外交関係文書、(2)朝鮮通信使の詩文・紀行録の写し、(3)韓語を観察・記録したもの、の3つに沿って資料が整理される中で、輪番僧は外交文書を翻訳・処理していただけでなく、通信使の漢詩を模写して学んでいたなどの文学的側面にも焦点が当てられました。また、当時の日本の自己意識との関係については、漢詩の分析がカギになる点が確認されました。

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