第2回研究会「ドイツ・ナショナリズムの重層性:『中欧』の視座から」
報告者 | 板橋拓己(成蹊大学法学部助教) |
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開催場所 | 第2研究室棟第1会議室 |
開催日時 | 2010年6月23日(水)15:00〜17:50 |
報告の概要
成蹊大学の板橋拓己先生をお招きし、先ごろ上梓された『中欧の模索:ドイツ・ナショナリズムの一系譜』の解説を通じて、ドイツ・ナショナリズム像について新しい視角からお話しいただきました。コンスタンティン・フランツ、フリードリヒ・ナウマン、ヴィルヘルム・ハイレ、カール・シュミットのそれぞれの思想が「中欧」概念と関連付けながら綿密に読み解かれていく中で、ナショナリズムが「小ドイツ」的な解釈に収まらない重層性をもつ点が明らかにされました。また、四者の検討から浮き彫りになった「中欧」概念の両義性と、現在のヨーロッパ地域統合がもつ「西欧主義的特徴」との関連性についても指摘されるなど、歴史と現在をつなぐ幅の広いご報告でした。