京都産業大学キャンパスマガジン サギタリウス 2015 Dec. Vol.70

継続こそ力なり 菊岡美紀 (株)菊岡夫婦社 取締役 菊岡 美紀さん 1991年外国語学部 卒2009年にタイの食堂を再現した料理店「パクチー」を開店。現在は京都市内で同店の3店舗を経営しながら、ラオスでの教育支援に携わる。

菊岡さんの挑戦ヒストリー 在学中 友人との出会いをきっかけに、自分の個性に自信が持てるように。アクティブに活動し始める。卒業後一般企業で営業職を経験した後、夫婦で世界一周旅行へ。経済格差の現実に衝撃を受け、教育支援を考えるように。現在タイ料理店「パクチー」を開店。2015年3月、事業の目的であったラオスでの小学校開校を実現。「世界一周」は日本が豊かだからできると気づき、自分は何をするべきかと悩みました。今はタイ料理店3店舗を経営中。店内では日々タイ語が飛び交います。

今回の後継者候補 私も質問しました! 外国語学部 4年次生 明石 美月さん(三重県・代々木高校出身)

アジアの教育支援に携わりたいと考えたきっかけは? 世界で目にした貧困の現状に、ガツン!と衝撃を受けたんです。

約20年前に夫婦で世界一周旅行をした時、発展途上国の多くで、想像以上に厳しい貧困の現状を目の当たりにしました。特に、学校に行けない子どもたちの多さは、私にとって大きな衝撃でしたね。「子どもたちのために、何か行動したい」と、旅行中も帰国後も、「私たちだからこそできる支援」を夫と考えました。そして何度も話し合った結果、経済的に豊かな日本でお金を稼ぎ、アジアの貧しい国に小学校を建設しようと決めたんです。努力次第で収入の伸びが見込めることから起業も決意。私のタイ留学の経験と、夫の食品製造などでの職務経験を生かしタイ料理店を開きました。市場調査から価格帯は低めに設定し、タイから麺屋台などの調度品を輸入するなどで本場の雰囲気を追求。努力が実を結び、ついに2015年にタイの隣国、ラオスで小学校を建設することができました。

菊岡さんが今後、挑戦したいことを教えてください! ラオスに建てた小学校の生徒たちを、卒業まで支えたいです。

20年越しの想いをようやく形にできたところですが、今後はさらに、小学校へ入学した生徒たちが継続して通学できる環境作りを目指しています。実は、私たちが小学校を建てたのはラオス南部の少数民族の村。村人は公用語のラオス語と異なる独自の言語を使っている上、その言語が文字を持たないため、教科書を使った学習ができない…という特殊な環境にあるのです。生徒たちの将来を考えれば、ラオス語で教育を受けることが望ましいのですが、村の言語環境から言えばとても大変なことです。卒業まで学習が継続できるように、奨学金で学びやすい環境を作れば良いのか? 文字を持たない生徒たちでも学べる教科書を作れば良いのか? と、日本にいる私たちがさらにお役に立てる方法を模索している最中です。もちろん経営者としての責任もありますから、一緒に頑張ってくれる社員の幸せのためにも会社の継続を第一とした上で、今後も教育支援を続けたいですね。

お二人から、バトンタッチ! 卒業後、ゼロからタイ語を身に付けられた菊岡さん、語学力を高めるコツを教えてください! A.言語はあくまで「ツール」なので、何度も使って慣れればいいんです。観光に来た外国人に話しかけたり、英会話カフェに行ったり、外国人とペアになって言語を教え合う「ランゲージエクスチェンジ」に挑戦するなど、外国語を使う機会を自分で見つけてみてください。話せないことに落ち込むこともあると思いますが、母国語じゃないからできなくて当たり前。恥ずかしがらずにどんどん話しましょう!

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