平成26年度「第3回全学FD/SD研修会」
(発達障害の理解および学内における支援について)開催

 12月3日(水)、ラーニングコモンズで、「障がい学生支援推進団体あすか」「学生FDスタッフAC燦」による主催、教育支援研究開発センター、ボランティアセンター、学生相談室による共催で、第3回全学FD/SD研修会を開催した。本研修会は、発達障害についての理解を促し、支援方法の在り方を考える機会を作ることを目的として実施した。学内の教職員ら61名(教員20名、職員25名、学生16名)が参加し、発達障害への関心の高さがうかがえた。
 佐藤賢一学長補佐・ボランティアセンター長の開会挨拶の後、本研修会を主催した「障がい学生支援推進団体あすか」の佐藤一樹さん(経済学部3年次)が本研修会の目的を説明した。

 その後、学生相談室カウンセラーの米虫圭子氏により、「発達障害ってどんな障がい?」と題した講演があった。発達障害のうち、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害)について、それらの特徴と大学生活で予測される課題の紹介があり、参加者がうなづきながら熱心にメモをとる姿が見られた。

 次に、経済学部山田勝裕教授がアニメーションを用いた授業での実践事例を紹介し、発達障がい学生の立場から佐藤さんが、専門的な立場から学生相談室カウンセラーの山本敦也氏が、山田教授の実践でわかりやすい点について解説を行った。有理数/無理数の連続性の概念という難しい内容であっても、視覚的な助けがあれば理解が促進されることを、身をもって実感することができた。
 引き続き、グループワークが行われた。グループワークの話題提供として、経済学部山田勝裕教授が授業をする上で感じたこと、教学センター課員の本城布美子さんが職員としてサポートする上で感じたこと、経済学部卒業生が社会に出て感じたこと、佐藤さんが学生生活を送る上で感じたことを話した。その後、教員・職員・学生混合のグループに分かれ、授業を受ける時、サポートを受ける時、社会に出た時、大学生活を送る時に感じることは何か、自分を障がい学生の立場に置き換えて話し合った。参加者からは「自分の経験によって認識が制限されていることを自覚した」等の感想が挙がった他、本学における障がい学生支援の課題に言及し、解決にむけた糸口は何かという点まで意見交換を行うグループもあった。
 最後に、質疑応答の時間が設けられ、佐藤さんが参加者からの質問に答えた。最後に、小林満教育支援研究開発センター長・外国語学部教授の閉会挨拶で研修会は終了した。
 参加者は、佐藤さんが自分の障害を自ら発信し、学内での理解を広める行動を起こしたことを称えていた。また、研修会終了後回収したアンケートには、「情報の共有と連携の重要性が再確認できた」「各教職員のサポート事例が参考になった」等の意見が寄せられた。今回の研修会で参加者から寄せられた質問や意見、グループワークで話し合われた内容については、後日『CERADES News』(教育支援研究開発センターニュース)に取りまとめ、参加者へ配付する他、本学ホームページを通じてフィードバックする予定である。

日時 平成26年12月3日(水)13:15〜16:00
12:45〜13:15 (30分) 受付
13:15〜13:20 (5分) 1.開会挨拶
佐藤 賢一(学長補佐・ボランティアセンター長)
13:20〜13:25 (5分) 2.本研修会の目的の説明
・説明者:佐藤 一樹(経済学部3年次)
発達障がい学生の在籍状況やこれらの学生の支援方法について説明する。
13:25〜13:55 (30分) 3.講演
・テーマ「発達障害ってどんな障がい」
・講演者:米虫 圭子(学生相談室 臨床心理士)
13:55〜14:25 (30分) 4.実践事例紹介
担当:山田 勝裕(経済学部教授)
解説:佐藤 一樹(経済学部3年次)
コメンテータ:山本 敦也(学生相談室 臨床心理士)
14:25〜14:40 (15分) 5.休憩
14:40〜15:55 (75分) 6.全体共有
・話題提供:発達障がい学生支援に関する体験談
・登壇者:山田 勝裕(経済学部教授)
 本城 布美子(教学センター課員)
 本学卒業生
 佐藤 一樹(経済学部3年次)
・グループワーク:「もし自分が障がい学生だったら?」
15:55〜16:00 (5分) 7.閉会挨拶
小林 満氏(教育支援研究開発センター長・外国語学部教授)
場所 ラーニングコモンズ パフォーミングスペース(雄飛館2階)
対象 本学教職員(非常勤講師を含む)、本学学生
主催 障がい学生支援推進団体あすか、学生FDスタッフAC燦
(障がい学生支援推進団体あすかは、他大学との情報交換・課題の共有を目的としたワークショップを通して、京都産業大学における障がい学生支援の状況を客観的に把握し、改善を促すことを目的とした学生団体であり、障がい学生支援の周知といった啓発活動も行っている。)
共催 教育支援研究開発センター、ボランティアセンター、学生相談室
参加者数 61名(内訳:教員20名、職員25名、学生16名)
  • 経済学部山田勝裕教授による
    アニメーションを使った授業での実践事例の紹介

  • パソコンテイク支援を受けながら、
    聴覚障がい学生もグループワークに参加した

  • 身を乗り出して活発に意見を出し合う
    参加者たち

  • 発達障害への理解の重要性を語った
    佐藤一樹さん(経済学部3年次)

お問合せ

京都産業大学 学長室(教育支援研究開発担当)
E-mail:kyoiku-shien-center@star.kyoto-su.ac.jp
Tel.075-705-1729

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