【情報理工学部】<共創チャレンジプログラム活動報告#1>日本P4ユーザ会2024にて発表

P4ユーザ会2024で発表する寺島さん(引用元:日本P4ユーザ会2024 YouTube動画より
パケットの処理のためのプログラミング言語であるP4は、ハイパースケーラや研究分野での利用が進んでいる言語です。今回はこのP4に対応したハードウェアを用いて、ネットワークで使用されている機器(ネットワークミドルボックス)のパケット転送遅延の揺らぎをヒストグラムとして取得可能な計測システムの作成し、P4ユーザ会2024で発表することを目標に活動を行いました。

本プログラムでは、この計測システムの設計・構築を寺島 拓弥さん(情報理工学部・4年次)が担当し、計測システムでターゲットとなるサーバの環境構築を松本 紘輝さん(情報理工学部・1年次)が担当しました。

なお、本内容については2025年1月16日(木)開催の情報理工学部ランチタイムトークでも発表されました。

活動に際して苦労した点・ 失敗した点など

パケット転送遅延の計測に使用するタイムスタンプの記録にはパケットのヘッダオプションを使用しました。

しかし、ネットワークミドルボックスにはこのヘッダオプションを引き継ぐものと引き継がないものがありました。この計測システムでは、ヘッダオプションを引き継ぐことが必須であるため、条件を満たすターゲットの選定など計測実験全体の構築に苦労しました。

活動に際して工夫した点 ・良かった点

ソフトウェア製ネットワークミドルボックスがパケットのヘッダをどのように処理するかなど、普段意識しない挙動の違いについて知る機会を得たことが良かったです。また、当該イベントで発表時にネットワークエンジニアの方や現地参加していた大学生からのフィードバックや意見交換を行うことができて良かったです。

活動や発表を通して成長を感じた点

寺島 拓弥さん(情報理工学部・4年次)

今回の活動は正課活動の多い1年次生との協働であったため、どのように作業を進めるべきかを学ぶことができました。 当該イベントの発表は、ユーザコミュニティで発表する貴重な機会となりました。エンジニアからのフィードバックを得たことでネットワークにおけるこの研究の位置付けが再認識できました。

松本 紘輝さん(情報理工学部・1年次)

この活動を通じて、普段扱っている技術をより深く理解できただけでなく、新しい知識を効率的に吸収し、実戦に活かす力が向上したと感じています。また、上級生との取り組みによって、ネットワークなどの情報技術に関する潜在的な課題を発見し、それに対する解決策を模索する姿勢について学ぶことができました。

今後の展望について

今回発表した計測システムでは、タイムスタンプの補正に使用するパケットが計測対象を経由する構造となっています。計測するパケットと補正に使用するパケットの分離を行い、今回発表した手法と比較する必要があると考えています。計測対象の拡大や計測のためのタイムスタンプの記録方法などの改善を検討することも考えています。

後輩に向けた メッセージ

寺島 拓弥さん(情報理工学部・4年次)

このプログラムは異なる学年で構成されるチームの活動の支援に留まらず、上級生の研究を知る機会が得られる支援プログラムだと感じました。様々な人や活動との繋がりを得る機会をぜひ活用してほしいと思います。

松本 紘輝さん(情報理工学部・1年次)

計測システムにおけるサーバの環境構築を担当した松本さん(引用元:日本P4ユーザ会2024 YouTube動画より
研究や創作活動を続ける上で、経済的な問題が障壁になることがあります。このような制度を活用することでそうした負担を軽減するだけでなく、活動の幅を広げ、上級生や指導教員との関わりで新たな学びを得るきっかけにもなるでしょう。貴重な機会ですので、ぜひ活用してみてください。

活動概要

チーム名 ylb pn-tech challenge
メンバー 情報理工学部4年次 寺島 拓弥さん
情報理工学部1年次 松本 紘輝さん
アドバイザー教員 情報理工学部 安田 豊 准教授
イベント名 日本P4ユーザ会2024
開催日程 2024年10月25日(金)
開催場所 マクニカ品川オフィス 5F Seminar Room
(東京都港区港南1-8-23 Shinagawa HEART 5F)
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