MOC vol.18「好きや得意を活かした働き方とキャリアのデザイン」開催報告

2025.03.31

京都市上京区の西陣地区にある学外拠点「町家 学びテラス・西陣」では、大学生から社会人まで幅広い世代がともに学び、地域とつながり、地域との関わりを通して多様な生き方や暮らし方、働き方の選択肢を増やすことを目的とした学びの場「町家オープンカレッジ(略:MOC)」を定期的に開催しています。
皆さん、何を軸に働きたいですか?何を軸に働いていますか?
今回のMOC18では「好きや得意を活かした働き方とキャリアのデザイン」をテーマとし、ゲストトークやトークセッションを通してその問いについて考えました。
はじまりの様子。右から尾藤氏、mutsumi氏、道前氏。左端はモデレーターのタナカ氏。
ゲストトークでは、まずは尾藤氏から自己紹介。高等専門学校時代におけるデザインやものづくりのことから始まり、現在デザイナーとして大事にしておられる「設計・発想・表現」の3要素を踏まえて制作したwebのデザインやロゴ、本やポスターなどの印刷物、ブランドづくりについて、さらに北海道に通いながら実施しておられる学びの場づくりと自分が関わったことで進路が変わった高校生とのお話などをお伺いしました。実際につくられたデザインとその裏にある物語や仕掛けを聞いて、デザイナーの仕事の奥深さを感じることができました。

続いて、現在はイラストレーターとして作家活動と商業イラストの仕事をされているmutsumi氏から話をお聞きしました。高校・大学時代は体育会系で、卒業後は飲食業で働きつつも、好きなイラストで仕事をしたい!後悔したくない!という想いから印刷会社に転職し、夜間にイラストの学校に通った後、独立されたそうです。
イベントへの出展や個展として実施された「100職100人似顔絵企画」の企画、ロゴ、マップ、商業施設、地域との仕事の事例、仕事の取り方、自分のスタイルの見つけ方、京都でやりたいことなど伺い、皆さん興味津々でした。 
mutsumi氏のトークの様子
道前氏のトークの様子
最後は、本学の卒業生である道前氏。卒業後、フリーターとしてプログラミングを勉強し、スタートアップ企業に入社されたそうです。女性のエンジニアコミュニティである「TECH WOMAN KANSAI」を設立した経緯や神戸市との仕事、さらにはITエンジニアと企業の橋渡しを行う技術×マーケティング職としての「DevRel(Developer Relations)」という仕事についてご紹介いただきました。今はまだ知られていない職種ですが、これからの時代には当たり前になるかもしれないというお話は、新しい未来が感じられるものでした。

道前氏がまとめとして話された「最初のキャリアがゴールではない」という言葉は、ゲストも、当日参加していた社会人の方々も大きく頷き、学生の方にとっても働くことへのハードルが少し下がったように感じることができました。

その後のトークセッションでは、会場からの質問にお答えいただきました。
「好きなことを仕事にしてみて感じた変化」に関しては「好きじゃないこともやらないといけないし、勉強もしないといけなくなった。」というお話があり、「仕事をするために大事なことは?」という質問には「人と仲良くすること」や「自分の肩書きをちゃんと名乗ること」などが語られました。
トークセッションの様子
他にも「自分のキャパシティの管理」や「仕事とプライベートのバランス」については「一度キャパオーバーしてみないとわからない」というコメントや「土日は休み、この日は仕事を入れないなど自分ルールをつくることが大事」など、好きなことを仕事にすることの苦労、フリーランスの大変さについて考えさせられました。

苦労の一方で、皆さん楽しそうにお話しされており、自分の人生を後悔しないように!好きなことを大事にしましょうというメッセージや、一緒に働きたいと思う人や自分が暮らしたい地域を見つけて働くという選択なども語られ、参加者からは働くことを通してだけでなくプライベートでもいろいろな経験をして、様々な世界を見たいという感想がありました。

交流タイムでは、ゲストを囲んでさらに質問したり、制作物を見せ合ったりする様子が見られました。

三者三様の仕事や働き方、キャリアのつくり方を知ることができた今回の町家オープンカレッジ。年末だったこともあり、来年はどうしようかな?とそれぞれの目標を考える良い機会になりました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。

mutsumi氏に相談する学生たち
道前氏に質問する学生たち
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