MOC vol.17「学生起業家に聞く!“やりたいこと” を “やっていく” ためには?」開催報告

2025.03.13

京都市上京区の西陣地区にある学外拠点「町家 学びテラス・西陣」では、大学生から社会人まで幅広い世代がともに学び、地域とつながり、地域との関わりを通して多様な生き方や暮らし方、働き方の選択肢を増やすことを目的とした学びの場「町家オープンカレッジ(略:MOC)」を定期的に開催しています。
第17回目のMOCは「学生起業家に聞く!“やりたいこと” を “やっていく” ためには?」をテーマとし、本学在学中に起業された合同会社TSUKUM徳山氏をモデレーターにお迎えして開催いたしました。

当日はまず「こちらを読み込んでください」という徳山氏からの案内で始まりました。実は今回、初めての試みとして、プレゼンテーションの画面に参加者からの質問や感想、コメントが可視化されるツールを使いながら実施しました。

そのため、ゲストトークもトークセッション時も常に双方向にやり取りが生まれ、それらを見ているだけでもとても楽しい時間となりました。 
新たなツールの利用
新たなツールの利用
スマホでコメント
スマホでコメント
そんな新たなツールも導入した今回のオープンカレッジ、まずはモデレーターと各ゲストから自己紹介とご自身の事業内容、起業に至った経緯をお話しいただきました。

モデレーターの徳山氏は、今年度9月に京都産業大学情報理工学部を卒業されました。在学中に学生団体を立ち上げ、翌年に合同会社TSUKUMとして創業。いわゆる"ベンチャー企業"ではなく"アドベンチャー企業"として、今この瞬間の"ワクワク"を大切にしながらデジタルファブリケーションを用いたワークショップの開催や小中学生向けプログラミング教室などの教育事業をされています。
徳山氏
徳山氏
続いて、ゲストのお二方。鈴木氏は、2023年同志社大学在学中に株式会社モクジヤを設立し、2024年に卒業されました。大学在学中はコロナ禍であったため、空き時間を活用してプログラミングやデザインを学びながら、初めは個人事業主からスタートし、のちに起業。「創業者オタク」として多くの創業者の半生を追いながら多様な生き方に触れ、自身の「創業者を彩る仕事をしたい」という思いから創業者や会社の奇跡をビジュアルや音声で伝える「モクジヤレコード」の展開や創業者オタクサイト「FOUNDER’s FANPAGE」の運営などを行っておられます。

作野氏は、立命館大学の食マネジメント学部に在籍中(休学中)の現役大学生。19年間プロサッカー選手を目指していましたが、大学2年生の春に膝を怪我し、サッカーの道を断念。現在は「周りの人に恩返しをして、幸せな気持ちになってほしい」というサッカー選手を目指した原点を思い起こし、「半径1mの人を幸せにできるサービス」を作るため、生きることと密接に関わる『食』の分野で起業され、どんな時でもママ・パパの味方になるオンラインサービス「チルディッシュ」を展開されています。
鈴木氏
鈴木氏
作野氏
作野氏
ゲストトークの後は、参加者からのコメントや質問をピックアップしてのトークセッションを行いました。いくつも質問がありましたが、その中から今回のタイトルにもある“やりたいこと” の定義についてと、それを形にしていく中での失敗談についてご紹介いたします。
イベントの様子
イベントの様子
質問「皆さんにとっての『やりたいこと』の定義はなんですか?」

作野氏:「やりたいこと」というより、「後悔したくない」という思いが強いです。死ぬ時に後悔をしないための選択をするように意識しています。
鈴木氏:「もし人類で、自分だけ取り残された時に何をするか」ということを意識しています。人がいなくなったら、周りからの抑圧やプレッシャーもなくなりますよね。「お金なしでどうやって暮らすの?」なんて誰にも言われません。他者に影響されない、絶対になくならない自分の"定数"や"軸"を常に見つめるようにしています。
徳山氏:夢や希望があったうえで「頑張るぞ!」と気合いを入れているというよりもむしろ、「今この瞬間を夢中になって楽しんでいる」という感覚の方が近いです。遊びやダンスと似た感覚ですね。

質問「失敗談を教えてください!」

作野氏:過去を振り返ると、「起業するときにお金のこと知らなかったなぁ」「ユーザーインタビューのやり方も知らなかったなぁ」など思うところはありますが、別に起業してから学べば充分だと思います。僕自身も、起業してからビジネスについて学んだ部分が大きいです。
鈴木氏:僕は学生時代、とにかくたくさんのビジネスコンペに出ていた時期がありました。コンペによって審査員も多様で、いろんな方向から指摘をいただきましたが、逆に自分の方向性が定まらなかった原因だなと思います。
作野氏:周りの人の声に左右されすぎないというのは大事かもしれませんね。もちろん、聞き入れた方がいいこともあるけど、全てを聞き入れる必要はありませんし、参考にする程度でいいのかなと思います。
徳山氏:他者に左右されない自分の"軸"や"原液"を持っておくのは確かに大切だと思います。

トークセッションの後は、参加者同士でチームを作り、ゲストトークやトークセッションの振り返りを共有しました。
交流の様子
交流の様子
感想の共有
感想の共有
参加者からは「私は道の駅オタクで、来年は定住するか、道の駅めぐりをするか悩んでいました。データを集めても生かせないんじゃないか、ただの自己満足になるんじゃないかと思っていましたが、今日のゲストトークを聞いて、インプットしたものを違う形でアウトプットする道もあるんだと知り、自分も何かチャレンジできるのではないかと勇気が出ました」という声や「"定数"や"軸"という言葉が印象に残っています。起業家志望として、自分の軸や方向性を見つけて深堀りしたいと思えました!」という声が上がりました。

学生も社会人も、"やりたいこと"や"自分の軸"をキーワードに、それぞれが刺激を受け、モチベーションを得られた様子で、オープンカレッジが締めくくられた後も、ゲストや参加者同士の交流が活発に行われていました。 
集合写真
集合写真
当日ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。多くの参加者の方々がこれから“やりたいこと” を “やっていく” 想いを持った皆さんで、町家としてもそんな皆さんを応援していけたらと思います。 
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