80年ぶりに発生か?「かんむり座T星」の新星爆発に向けて神山天文台の荒木望遠鏡で観測を継続中
2024.08.09
京都産業大学神山天文台は、さまざまな時間変動天体(彗星や新星など突発的に明るくなる天体)の観測をひとつの柱としています。今年中に80年ぶりに発生するといわれている「かんむり座T星」の新星爆発に向けて、神山天文台の荒木望遠鏡での観測を継続しています。本件について、神山天文台では専門家による解説等も可能です。
【本件のポイント】
- 本学の学祖荒木俊馬博士の重要な研究テーマのひとつが、突然夜空に明るく輝く新星のスペクトル(光を色ごとに分けたもの)でした。星が爆発することによって非常にはやいスピードでガスが吹き飛ぶ様子などが、新星のスペクトルから分かります。最近では、生命に必須な元素であるリン(元素記号:P)が、新星爆発の際に作られることがわかり、生命を生み出す元としての新星という意味でも注目が集まっています。京都産業大学では、2010年の神山天文台設置以来、新星爆発の観測を重要なテーマとして継続しており、これまでにも、本学の学生が世界初となる発見をするなど、新星研究において様々な成果がでています。
- 現在、神山天文台が注目しているのが、80年ぶりに爆発を起こすと予想されている「かんむり座T星」です。この星は、望遠鏡でいくら拡大しても見えませんが、実は2つの星からなる連星となっています。前回は1946年、前々回は1866年ということで、近々爆発するといわれています。継続的に観測を続けている海外の研究者の間では1946年の爆発直前と類似した変化が現在の「かんむり座T星」に見られることから、この数ヶ月以内に爆発するのではと予測されています。神山天文台でも、この「かんむり座T星」を追跡し、爆発の瞬間を捉えようと狙っています。
リリース日:2024-8-09

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