京カレッジ 京都力養成コース「京都の歴史のなかの学問・教育・思想-多様な資料と手法によるアプローチ-」開催

2024.06.10

京カレッジ京都力養成コース「京都の歴史のなかの学問・教育・思想」が5月11日、18日、25日、6月1日の4日間、開催されました。

本講座は京都市と公益財団法人 大学コンソーシアム京都が主催する「京カレッジ」市民教養講座の京都力養成コースとして開講したもので、本学文化学部の教員3名と日本文化研究所の上席特別客員研究員(京都・観光文化検定試験1級合格者)4人、京都産業大学大学院 京都文化学研究科 修了生2人、計9人の講師がリレー形式で、講義(於、キャンパスプラザ京都)とフィールドワーク(有斐斎弘道館・下御霊神社・新島旧邸)を行いました。

今年度の同講座は、タイトルにある通り、「京都の歴史のなかの学問・教育・思想」に焦点をあて、史資料・地図・写真・新聞や雑誌の記事等の分析や現地調査等を踏まえた研究成果が披露されました。

5月25日のフィールドワークでは、「五感で感じてみよう!日常生活に必須の学問・教育・思想の探求」と題し、有斐斎弘道館・下御霊神社・新島旧邸を訪れました。

中江 好喜・本学 日本文化研究所 上席特別客員研究員による説明を受けながら、まずは、有斐斎弘道館を訪問し、江戸中期の京都を代表する儒者・皆川淇園(みながわきえん)が創立した学問所跡を見学。約550坪の庭にたたずむ屋敷には、裏千家の茶室と、表千家の茶室がありました。お香や煎茶に適した広間では、本学卒業生の山田実氏から有斐斎弘道館を保存するに至った経緯などを伺いました。垂加神道の山崎闇斎とも関係の深い下御霊神社は、創建当初は出雲路(上京区)の(上)御霊神社の南にあったことから下御霊神社と呼ばれていたが、1590年に豊臣秀吉の都市整備により当地に移転したと講師から説明がなされました。最後に、同志社大学の創設者・新島襄とその妻・八重が暮らしていた、コロニアル様式の外観をもち、和に洋を取り入れた建築が見事な、新島旧邸を訪れました。2班に分かれ、旧邸の一階(応接間、居間、書斎、食堂、台所、便所、風呂場など)や、附属屋(新島氏の両親の隠居所)を見学しました。

講座終了後のアンケートでは、「各講座の講師の知識の深さについて、感動しました。」
「どの講義も個人的に興味があり、もっと知りたいと思った。」「分かりやすい資料が提示され理解が深まった。」
などの感想が寄せられました。

各回の講義テーマ

≪1日目≫

  • 第1講義「総論:京都の歴史のなかの学問・教育・思想」若松 正志 文化学部 教授
  • 第2講義「上賀茂神社の神仏習合思想」初田 貞明 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第3講義「夢窓疎石の禅・山水思想」木下 義久 日本文化研究所 上席特別客員研究員

≪2日目≫

  • 第4講義「平安貴族の子弟教育」吉野 秋二 文化学部 教授
  • 第5講義「近代女子教育における阿仏尼作品の揺動-阿仏尼の虚像と実像-」山口 美乃 京都産業大学大学院 京都文化学研究科 修了生
  • 第6講義「明治前期における番組小学校の地域行政機関としての役割」上田 清美 京都産業大学大学院 京都文化学研究科 修了生

≪3日目≫

  • フィールドワーク「五感で感じてみよう!日常生活に必須の学問・教育・思想の探求」中江 好喜 日本文化研究所 上席特別客員研究員

≪4日目≫

  • 第7講義「岩倉具視-怜悧な思想と京都-」笹部 昌利 文化学部 准教授
  • 第8講義「京都学派、その本質と歴史的意義」久宗 圭一 日本文化研究所 上席特別客員研究員
  • 第9講義「全体のまとめと補足—京都産業大学の特徴—」若松 正志 文化学部 教授

第1講義「総論:京都の歴史のなかの学問・教育・思想」
第2講義「上賀茂神社の神仏習合思想」
第3講義「夢窓疎石の禅・山水思想」
第4講義「平安貴族の子弟教育」
第5講義「近代女子教育における阿仏尼作品の揺動—阿仏尼の虚像と実像—」
第6講義「明治前期における番組小学校の地域行政機関としての役割」
第7講義「岩倉具視-怜悧な思想と京都-」
第8講義「京都学派、その本質と歴史的意義」
第9講義「全体のまとめと補足—京都産業大学の特徴—」
フィールドワーク「五感で感じてみよう!日常生活に必須の学問・教育・思想の探求」
集合(京都御所蛤御門前)
有斐斎弘道館
下御霊神社
新島旧邸
PAGE TOP