新理事長に山田 啓二教授が就任

2024.06.01

学校法人 京都産業大学では、大城 光正 が2020(令和2)年10月1日から理事長を務めてまいりましたが、2024(令和6)年5月末をもって退任し、同年6月1日から山田 啓二が理事長に就任しました。

山田 啓二 理事長からのご挨拶

戦後、米ソの冷戦時代を迎え、ベトナム戦争などイデオロギー対立の中で世界が出口を見失い、日本も日米安保条約を巡り騒乱状態に陥っていたころ、京都の上賀茂神社の北、神山の麓に京都産業大学は産声を上げました。学祖荒木俊馬は世界の混乱に対し、「日本古来の美しい道徳的伝統を精神的基盤とし、東西両洋の豊かな文化教養を身につけ、絶えず変動する国内情勢に関して十分な知識をもち、その科学的分析によって正しい情勢判断のできる能力を備え、如何なる時局に当面しても、常に独自の見解を堅持し自己の信念を貫き得る人間」の形成を目指したのです。
イデオロギーや文化、宗教の対立など時代に翻弄されること無く、自分の考えを持って生き抜いていく人間こそ、日本社会を担う人材と考え、まさに「生きていく力」を磨き上げることを目指して設立されたのが京都産業大学なのです。
以来60年が経ち、世界は未だ混迷の中にあります。ロシアとウクライナの戦争は泥沼化し、イスラエルとパレスチナは紛争の域を超えています。アジアに目を転じても中台の緊張、北朝鮮問題など枚挙にいとまがありません。そこに地球温暖化など環境問題が重なるのです。国内に目を転じても、過疎高齢化、一極集中による人口減少は国の存立を危うくし、無縁社会と呼ばれる孤立した社会状況が進展しています。
学校法人京都産業大学は、これからも建学の精神を踏まえ、混迷の時代に若者に生きる力、生き抜く知恵を与えていく所存です。幅広い教養を身につけ、国際化や情報化が進む社会の変化を的確に把握し、分析力を身につけ、高いコミュニケーション能力をもってこれからの時代を切り開く人材を育ててまいります。
京都産業大学は京都市北区上賀茂の地に広大なワンキャンパスを展開しています。文化首都・京都の中心部まで30分という絶好のロケーションにありながら、エスカレーターで上れば五山の送り火の一つ、舟山に対峙し、世界遺産に繋がる景観豊かなキャンパスは学問の拠点としての高みを具えています。1万5千人の学生達は巷の喧噪に邪魔されず学問に勤しみ、交流を深め、課外活動に共に取り組む中で、生涯にわたることとなる多様な友を得ることが出来るのです。また10学部を持つ総合大学の教員が一つのキャンパスに集中していることを活かし、世の中の変化に合わせ、学部を越えて、社会の需要に沿った柔軟な対応を行うことができます。さらに開学してから60年という若い大学だけに、創成期の苦労をともにした卒業生には今でも社会で現役として活躍中の方も多く、愛校心に富み、後輩を温かく見守ってくださりつつ、一方で、日本を代表する企業のトップも数多く輩出されてきました。教職員も自分たちが創り上げた大学であるとの思いが強く、一人一人が学生に真正面から向かい合いサポートする体制を整えています。
また、附属の中学校・高等学校、幼稚園は相互に、そして大学と連携した教育を特色としています。
これらのあゆみにより、進取の気性に富んだ「新しい大学」として関西において揺るがない地位を得てきたものと思います。
こうした法人全体の一体感と、時代を見極めてきた危機感が、産業を“むすびわざ”と解する学生の生きる力を育てる原動力になっています。今多くの若者が、会社での人間関係に悩み、現実と希望の中で逡巡している時、京都産業大学は灯台のごとく輝きを放つ大学として存在しなければなりません。
進路に悩み、社会との関係に悩み、生きる道を探すのに悩む多くの若者に、希望と連帯の中で、社会を生き抜いていける教育を私たちはこれからも掲げ貫いていきたいと考えています。
京都・上賀茂の神山の麓で、希望の火を灯して皆さんを待っています。

2024年6月1日
学校法人京都産業大学
理事長 山田 啓二

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